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MBAエッセイ・インタビュー対策:6つのリーダーシップスタイル(Leadership Style)
MBAプログラムを提供する主要なビジネススクールのウェブサイトではLeadershipというワードを頻繁に目にすることも多いです。それは、MBAは簡単に言えば短期でリーダーを養成する強化合宿のようなプログラムのようなものだからです。
MBA受験においても、エッセイやインタビュー対策として「リーダーシップ」についてはほぼ間違いなく回答をしていかなければならない重要なキーワードです。
What type of leader are you?
MBA受験でこのような質問にあなたはどのように回答しますか?
心理学者で科学ジャーナリストのダニエル・ゴールマンは、著書「『EQリーダーシップ。成功する人の「こころの知能指数」の活かし方』の中で、著者は6つのリーダーシップスタイルを紹介しています。
今回の記事では、この6つのリーダーシップスタイルに私の見解を反映し、一つ一つ説明をしていきますので、自分はどんなリーダーシップを取っているのかを改めて考えてみましょう。
リーダーシップスタイルは決して一人一つのタイプに分類されるわけではありません。2つ3つのタイプを同時にもっている場合もあります。更に言えば、本物のリーダーは組織の規模やメンバーの性格などによって、意図的に自分のリーダーシップスタイルを変えていく必要もあります。その自己分析した結果を、MBA出願のエッセイやインタビューに盛り込むところまで計画していくことが大切です。
そんな6つのリーダーシップスタイルは以下の通りです。
1. Coercive leadership style: The boss
Coercive leadership style(強制型リーダーシップ)は、「俺の言う通りにやれ。」というトップダウンで独裁的なアプローチをするリーダーシップスタイルです。チームメンバーには文句を言わせず、リーダーの指示通り機械のように動くことが求められます。そのため、リーダーからの指示がない場合、通常メンバーは自ら動こうとしなくなってしまいます。自分の意思で勝手に動けばリーダーから怒られるので、リーダーの指示を待ってから動いた方が良いと考えるようになるからです。
正に恐怖政治のようですが、ダニエル・ゴールマンによれば、このリーダーシップは、短期的に成果を出すのは効果的な側面もあると述べています。明確な指示が必要な業務においては、無駄なく問題解決ができるので、倒産寸前の組織を立て直す際などは、リーダーの判断が正しければ窮地を脱するリーダーシップを発揮することになります。
ただ、このような強制型リーダーシップスタイルは、リーダーについていけないメンバーも多く退職率が上がります。長期的にはマイナスの影響をもたらすケースが多いのも実情です。
2. Visionary leadership style: The visionary
Visionary(又はAuthoritative) leadership style(ビジョン型リーダーシップ)は、チームメンバーに対して組織のビジョンや目標を語り共感を得ることで、共にゴールを目指すリーダーシップスタイルです。似たスペルでAuthoritarian(権威主義的) leadershipもありますが、意味が変わりますので注意しましょう。
ビジョン型リーダーシップは、メンバーに信用おくスタイルですので、マイクロマネジメントを行いません。明確な目標を設定し、メンバーの自立性や創造性を尊重することで、仕事に対するモチベーションと満足度を高めていきます。ダニエル・ゴールマンによれば、このビジョン型タイプのリーダーシップはビジネススクールで最も教えられるスタイルであると述べており、Coercive leadership style (強制型リーダーシップ)とは対照的なリーダーシップスタイルです。
このリーダーシップスタイルが効果的なのは、組織や市場の変化が激しく不確定要素が多い時期です。行き先が不明瞭な中であっても、「今日の仕事が世の中の役に立つ/世界を変える」など、組織のビジョンや目標が日々の業務にどんな意味があるのか、をリーダーがメンバーに語りかけることで、モチベーションを高めていくことになります。
3. Pacesetting leadership style: The hustler
Pacesetting leadership style(ペースセッター型リーダーシップ)は、リーダーが自ら行動し手本となることで、メンバーにも同じレベルのパフォーマンスを期待するリーダーシップスタイルです。このタイプのリーダーは、自分と同じペースでメンバーが仕事をすることを期待し、指示の理由を言わずに仕事を進めてしまうケースも多いため、メンバーはリーダーの指示の意味が理解できず、仕事の進め方が強引すぎると感じさせる危険性があります。
ダニエル・ゴールマンによれば、このペースセッター型アプローチは、リーダーが完璧を求め成功よりも失敗に焦点を当ててしまう場合、上手く機能しないとしています。一方で、部下が自発的な意欲を持ち非常に有能である場合にはチームは高いパフォーマンスを発揮します。ペースセッター型アプローチは単独で行うのではなく、他のリーダーシップスタイルと組み合わせることでより高い効果を発揮するとしています。
4. Affiliative leadership style: The carer
Affiliative leadership style(関係重視型リーダーシップ)は、リーダーとチームメンバー個々の友好性と信頼性の構築を重視するリーダーシップスタイルです。リーダーや他のメンバーに対して自由に意見を発言する環境を提供し、メンバーに所属意識を持たせることで共通の目標を達成するモチベーションを高めます。
ダニエル・ゴールマンによれば、この関係重視型リーダーシップスタイルは、メンバーを仕事仲間というよりもコミュニティ仲間として位置づけ、仲間の人柄やプライベートも理解し合う環境と整えているとしています。良好な職場環境を形作るのに適しており、退職者を職場復帰させるためにも有効なアプローチでもあります。
このアプローチは、メンバー間の仲間意識を高め、良質な会社文化を構築するにも効果的です。ただ、お互いに厳しい意見やフィートバックをするのに躊躇う可能性もあります。Visionary leadership style(ビジョン型リーダーシップ)と組み合わせることで、お互いに協力しあい、目標に向けて切磋琢磨しあう環境を作り出すことができます。
5. Democratic leadership style: The listener
Democratic leadership style(民主型リーダーシップ)は、メンバー全員に意見をする場を設け、それに耳を傾け、共に意思決定をしていくリーダーシップスタイルです。メンバー全員が人の多様性や異なる意見を尊重し合うことでお互いにチームへ貢献をしていくことになります。
リーダー、メンバー共に、良い知らせも悪い知らせも常に受け入れる姿勢を持ち、意見の対立を歓迎します。常に自分の意見が聞き入れられるので、メンバーは躊躇なく意見を述べることができます。時には激しい議論を重ねることもありますが、お互いに納得する落としどころを見つけたりします。
そのため、この民主主義型リーダーが率いる組織では、多様な意見や知恵を参考にする習慣が染みついており、革新的なアイデアが生まれる可能性を秘めていると言えます。
6. Coaching leadership style: The mentor
Coaching leadership style(コーチ型リーダーシップ)は、チームメンバー一人ひとりの成長に重点を置いており、リーダーは個々のプライベート及びキャリアの長期的なゴール実現のために時間を惜しみません。
「ゴール実現のためにどうしたら良いと思う?」
「なぜあなたはそう思う?」
「私はあなたにどんなサポートができる?」
など、様々な質問をメンバーに投げかけることで、個々に考えさせる機会を与え成長を促します。必要に応じてメンバーをサポートしたり、時にはメンバーの能力以上のタスクに挑戦させ、上手く行かなかった場合は、次からどうしたらいいのかを考えさせる機会も与えます。このように、成功体験や失敗体験を積み重ねていくことでメンバーがさらなる成長をすることを期待します。
コーチ型リーダーシップは、1対1のコミュニケーションをとる場面で有効に機能します。
「君は○○はとても得意だね。でも△△をやるときはいつも上手く行かない。それはなぜだと思う?他のやり方でできる方法はどんなものがあると思う?」
このように、コーチ型リーダーはメンバー一人ひとりと向き合ってリアルタイムでのフィードバックを与え、目の前の問題解決よりも個々の成長に重きを置きます。
まとめ
以上が、MBA受験のエッセイ対策、インタビュー対策において知っておきたい6つのリーダーシップスタイルです。これらをただ参考にして「なるほど、こういうタイプがあるのか。」で終わってしまってはいけません。今までの人生やキャリアを振り返り、自分の性格や強み、弱みなどを特定することによって、自分の現在のリーダーシップスタイルが明確になっていきます。
この6つの中から、自分に合っているリーダーシップスタイルはどれになるか自問自答してみることをお勧め致します。必ずしも一つのスタイルではなく、組織の規模、会社の方針、ご自身の役職によって取るべきリーダーシップを変えていく必要があることも留意しておきましょう。
MBA取得後、起業に向かない人の特徴 ベスト5発表
MBA相談会を開催していると、「MBA取得後に起業を目指しています」というお話を頂くことがあります。
MBA Loungeの出願サポートの受講生さんの中でも、だいたい30%くらいが将来的に起業を考えているような印象です。実際にMBA修了後に起業する人は更に少なくなります。
私の経験上、起業はMBAでの学びを最大限に活かすことができる進路の一つであると同時に、人によって向き、不向きが明確なものであるとも思っています。
そこで今回は、私川尻は起業家として成功もしていないショボい人間ですが、私なりに考えた「MBA取得後、起業に向かない人の特徴ベスト5」をご紹介します。
第5位:人に期待する
人に期待する、別の言い方をすれば「簡単に人を信じる人」は、もしかしたら起業に向かないかもしれません。「お金の切れ目は縁の切れ目」などという言葉がありますが、ビジネスに関して言えば正にその通りで非常にサバサバした関係が普通です。
誤解を恐れずに言えば、ビジネスに関しては、人は裏切るものだと思っていてちょうどいいです。
MBA相談会で「起業を考えています」という方々のお話でよく聞くのが
「起業の話をしたら、会社の上司が契約してくれると言っていました。」
「友人がみんなを誘ってセミナーに参加してくれると言っていました。」
という類の話です。
このような言葉は本気で信じないで下さい。
確かに最初のうちは、商品やサービスを購入してくれるかもしれませんが、それはあくまでも「義理」です。
いくら知り合いでも本当に必要な商品、サービスでなければ継続的に購入はしてくれません。相手も金銭的、時間的負担があるようであれば、もっと効率の良い他の商品、サービスにシフトしてしまいます。世の中はそんなに甘くはないのです。
第4位:完璧主義
完璧主義だったら永遠に起業できません。
アメリカのシリコンバレーで多くのスタートアップ企業が採用している「Lean startup(リーン・スタートアップ)」という起業の考え方があります。これは、商品やサービスを世に出した後に検証をしながら改善をしていく方法で、スタートアップ企業が前例の無い画期的な商品やサービスを開発する際に使う手法です。
つまり最初から完璧なモノを出すのではなく、市場に揉まれながらお客さんと一緒に商品やサービスを作り上げているという考え方です。
「不完全なモノだからまだスタートできない」という考え方を持っていたら、いつまで経ってもスタートすることはできません。
起業するなら、いい意味で大雑把であることも大事です。
第3位:ライフワークバランスが大切
充実した人生を過ごすためには、ライフとワークのバランスがとれた生活スタイルが理想です。オンとオフをしっかりと切り分けて、オフの時間は家族や友人との時間として大切にする、そんな生活いいですね。
でも、もしあなたが起業で成功したいのであれば、ライフワークバランスを考えている余裕はありません。
起業したら、特にビジネスが軌道に乗る前までは、ビジネスとプライベートの境界線を引くことはできません。のんびりと休日を過ごしていたら、急に仕事の電話がかかってくるなんてことは日常茶飯事で、ビジネスもプライベートも混在した生活をおくることになります。
ライフワークバランスを優先したいのであれば、会社員でいる方が安全です。
第2位:性格が悪い
起業家は、この専門性よりも人柄で評価されるケースが多いです。性格が悪かったらどんなに商品が良くても絶対に成功できません。
当たり前のことですが、実際にこれを理解していない人が多いのも事実です。
会社という組織をみると、下っ端のうちは人柄よりも専門スキルや技術の方が重要視されます。上からの指示に従って(指示に従わないレベルは論外ですが)結果を出しさえすれば評価されます。
出世をしてマネージャーレベルになってくると、今度は専門スキルや技術よりもヒトを扱う仕事が増えてきます。多くの場合、メンバーから慕われていなければ、マネージャーはチームとして結果を出すことができません。人から好かれる性格でなければ見込み客も取引をしたいと思わないです。役職が上がれば上がるほどより人柄が重要になります。
ビジネスリーダーや経営者を養成するMBAプログラムの選考過程で人柄が重視されるのはそのためです。
第1位:学歴、職歴でマウントとりたい
起業は完全実力主義の世界です。
そのため、基本的に学歴や職歴の看板が全く役に立ちません。その人の実力、人柄で全てが判断される世界です。
確かにコンサルタントやカウンセラーという業種であれば、輝かしい学歴や職歴を看板にお客さんは集まってくると思います。でも、実力が伴っていなかったらお客さんは直ぐに離れて行ってしまい、継続的に売り上げを維持することができません。
「第5位:人に期待する」でも述べた通り、最初は友人・知人が商品、サービスを購入してくれるかもしれませんが、継続性がないのと同じです。
起業で成功するには、大きな花火を一発打ち上げるのではなく、地味でもコツコツと継続的に売り上げを立てていくことが重要です。学歴や職歴は大きな花火を一発打ち上げるのに有効かもしれませんが、継続性を保つにはお客さんを満足させる商品、サービスそのものの品質です。
もしあなたが高学歴、一流企業勤務の経歴を使い倒したいのであれば、大企業に居続けた方が安全です。
まとめ
私川尻も一応起業していますが、まだまだショボい人間です。そんな私なりに考えた「MBA取得後、起業に向かない人の特徴ベスト5」は以下の通り。
第5位:人に期待する
第4位:完璧主義
第3位:ライフワークバランスが大切
第2位:性格が悪い
第1位:学歴、職歴でマウントとりたい
犯人はこの中にいます(MBA受験事件簿)
夢と希望を持って挑戦したにもかかわらず、最終的に「やっぱり無理」「やっぱり怖い」と言って夢半ばであきらめてしまう人たちがいます。
それはMBA受験、MBA挑戦でも同じです。自分の将来、そして人生を充実したものにするべく、勇気をもってMBA受験に挑戦したにもかかわらず最終的にあきらめてしまう人たちがいます。
MBA Loungeメルマガやブログ、動画配信などで何度もお伝えしておりますが、ご自身にとってMBAが重要でなければMBA受験を辞めること自体は全く問題ありません。むしろ早く見切りをつけて辞めるべきです。
問題は、ご自身とってMBAは必要不可欠であると思っているにもかかわらず、あきらめてしまうことです。
MBA受験を決断し夢と希望を持った人たちのモチベーションを奪ってしまう犯人は誰なのか?
今日はそれを解明するべく、以下6名の方に集まってもらいました。
そして、今回、MBA Loungeの受講生さんへのアンケート調査を実施した結果、その犯人が分かりました。
1.資金不足
2.多忙な業務
3.不安感
4.自信喪失
5.冷める熱意
6.家庭の事情
犯人はこの中にいます!
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MBA事件簿:容疑者たち
海外MBAへの挑戦を決めるとやることがたくさんあることに気付きます。英語やGMAT試験、自己分析、学校調査、エッセイ、インタビュー対策等。。。一方で、MBA受験をされる方の多くは働き盛りの20代後半から30代、40代にかけてです。毎日仕事や出張をしながら、それらをこなしていくことは決して簡単ではありません。
それでも仕事が忙しいとは言ってはいられず、MBA受験を決断した早々からTOEFL、IELTSの英語試験、GMAT、GREなどの学力試験の対策を始めることになります。数か月間忙しい中時間を割いて一生懸命対策しているものの、なかなかスコアが上がらず、「自分ってこんなに頭が悪いのか」と自信を無くしてしまうかもしれません。
タイムマネジメント力を駆使して、仕事とMBA受験を何とか両立させているうちに、数か月、数年と経過すると、時間とともにMBA受験に対する熱意も冷めてくるかもしれません。
更に実際にMBAを始めたことを想像してみると、資金もかなりかかってくることに気づきます。海外MBAでは金銭的に多大な投資となります。ただでさえ毎年学費が上がっているにもかかわらず、為替の影響で想定よりも費用がかかってしまうという事実に愕然とする人も多いでしょう。留学であれば、さらに生活費の重圧もかかってきます。資金が足りるのか?という問題にも直面します。
そうこうしているうちに、親の介護が必要になったり、配偶者の仕事やプライベート状況が変化したり、子供が産まれたり、と家族の事情も様々変化をしていく場合もあるでしょう。
MBA事件簿:「MBAは自分のキャリアを変える」と信じている人
このように、MBA挑戦を決意して、実際にMBA受験を始めると様々な壁があるんです。
1.資金不足
2.多忙な業務
3.不安感
4.自信喪失
5.冷める熱意
6.家庭の事情
それでも、自分にとってMBA取得をして「その後のキャリアを心から変えていきたい」という意思が強い人たちは、これらの障害をすべて乗り越えようとします。
「MBAは自分のキャリアを変える」と信じている人は、どんなに日ごろの業務が忙しくても、朝、夜、通勤時間、休日などを上手く使ってコツコツ進めていくことができます。意思が強ければ強いほど、時間の経過とともに熱が冷めるということはありません。
「MBAは自分のキャリアを変える」と信じている人は、TOEFL、IELTSの英語試験、GMAT、GREなどの学力試験で中々スコアが取れなくても粘り強く対策を続けます。お金がかかりますが、腹をくくって予備校に通って少しでもスコアを伸ばす手段を考えます。そして、ビジネススクールによってはスコアについて交渉可能だったりしますので、できることは全て行って少しでも夢実現に向けて動こうとします。
「MBAは自分のキャリアを変える」と信じている人は、資金も何とかならないかと動き回ります。スカラーシップ獲得に向けて準備をするのはもちろんのこと、家族からの支援や銀行からのローンなども検討します。場合よっては、学費が抑えられる方法(志望校を変える、オンラインに変える、MBAの代替えとなるMasterプログラムに変えるなど)を模索します。
「MBAは自分のキャリアを変える」と信じている人は、家庭の事情に直面しても突破口を探ります。もちろん、家庭は仕事やMBAよりも優先するべき事項です。一旦は家庭の事情を優先して、数年後にMBAに再挑戦するという人も少なくありません。
MBA事件簿:犯人は、、、、
そんな中、「MBAは自分のキャリアを変える」と信じている人が多いMBA Loungeの受講生さんへのアンケート調査により、「MBA受験に対するモチベーションを下げる犯人」が、明らかになりました。
そうです。あなたです。
「不安感」さん。
MBA Loungeの受講生さんへのアンケートでは、51%の人が「不安感」がモチベーションを下げる原因であると回答頂きました。
学費や時間など多大な投資に対する不安感です。
でも、興味深いことに6名の容疑者の中でも「不安感」というのはとても漠然としています。
「資金不足」「多忙な業務」「家庭の事情」など目の前にある課題ではなく、個人が勝手に将来を想像して勝手に心配しているだけ、とも言えます。
まだ、MBAに合格をしていなければ、学費も払っているわけでもありません。ある意味「幻のMBA合格」と「幻の学費」にモチベーションを下げられているということです。
とは言うものの「まだ何も決まっていないんだから不安感なんて持たないでください。」と言われても「はい、そうですね。」と言えるほど簡単なものではありませんよね。
不安感を払拭するのは難しいことです。でも、極端に怖がる必要はありません。少なくとも「学費や時間など多大な投資に対する不安感」はまだ現実になってはいない幻なんです。
MBA受験において、「不安になるのは止めましょう」とは言いません。「不安感」と上手く付き合いながら受験を進めてみましょう。
細かすぎて伝わらないMBA後のキャリアに必要なビジネススキル
MBA取得を目指す社会人の10人中10人は、MBAを通じてその後のキャリアを豊かにしたいと考えているはずです。
MBAでビジネスに関する知識、ノウハウ、そしてネットワークを手に入れることで、MBA前と後とで、大きな変化を起こそうとします。そして、もちろんそれは可能です。
では、具体的にMBAで習得できるスキルにはどのようなモノがあるのでしょうか。
経営戦略術?
リーダーシップ?
ファイナンス?
コミュニケーション能力?
経営判断力?
これらのスキルはMBAを通じて身に着けることができる代表的なスキルや能力です。
でも、MBAを通じて一つも二つも上のレベルで仕事をしていくにあたって必要、でも細かすぎて中々伝わらない本当のスキルがあります。
今回はそんな「細かすぎて伝わらないMBA後のキャリアに必要な本当のスキル」についてのお話です。
細かすぎて伝わらないMBA後のキャリアに必要な本当のスキル
結論から申し上げますと、「細かすぎて伝わらないMBA後のキャリアに必要な本当のスキル」とは「感情コントロール力」です。
つまり、いかなる状況においても、常に冷静沈着で正しい判断をするチカラです。
自分の感情をしっかりとコントロールできるリーダーは、異常事態でも冷静沈着であり、今までに身に付けた経験、知識、能力を最大限に活用して正しい判断をすることができます。
一方で、「感情コントロール力」がないリーダーは、どんなに経営に関する豊富な経験や知識があっても、どんなにリーダーシップ能力があっても、どんなに卓越した分析力があっても、異常時において全く役に立ちません。その際のリーダーの感情で動いてしまうわけですから、正しい判断ができなくなってしまうということです。
イメージ的には、「感情コントロール力」がないリーダーは緊急事態にはパニックになってしまい自分の経験や知識が詰まった宝箱に自らカギをかけてしまい、有効活用できず素人同然の判断をしてしまう、という感じです。
冷静さを失ってしまうと、今までに培ってきたスキルを発揮できないまま終わってしまうんです。
経営ではよく、「ヒト」「モノ」「カネ」の動きを見ることが基本だと言われますが、それらを動きを見る人は自分の「感情」をコントロールしなければ決して優秀なリーダーになることはできません。
良いニュースと悪いニュースは突然やってくる
「良いニュース」と「悪いニュース」はある日突然やってくるものです。
組織のシニアレベルのマネージャー、もっと言えば経営者となって会社を動かしている人は、既に体感しているかと思います。逆に経営に近いレベルの人たちでないと中々実感することはありません。
ある日急に「取引先から契約が打ち切られた」と思ったら、翌日に「新しい大型案件が入ってきた」など。
地獄から天国へ、天国から地獄へ、と短期間で状況が大きく変化して、感情を大きく揺さぶられます。経営レベルの仕事に就くと、まるでジェットコースターにように上下に激しい揺れを常に体感することになります。
リーダーたるや、そのような状況であっても常に冷静沈着に行動し、自分の宝箱を最大限に活用する肝っ玉が求められるんです。
良いニュースが来ても、ゆっくりとその余韻に浸っているヒマはありません。一方で、悪いニュースが来ても、落ち込んでいるヒマはありません。
ジェットコースターのように、心を揺さぶられながら冷静沈着な経営判断を求められるのが経営層で働くビジネスパーソンです。
このようなジェットコースターの経験は、MBAを取得して職務レベルが経営層に近くなったときに得られるものです。もちろん、会社によって大きく異なりますが、一般的には、社員レベルの仕事ではこのような経験をする機会は大きく限定されます。
なぜなら、一般的には経営層ほど多くの案件に接する機会がありませんし、経営層である程度かみ砕いてから現場レベルに指示が出されるからです。
「感情コントロール」はMBAで訓練できるのか?
それでは、この「感情コントロール力」はMBAでどのように訓練するのでしょうか。
そこで出てくるキーワードが「Diversity(多様性)」です。
MBAでは、様々な国籍、文化、考え方、習慣を持ったクラスメートと真剣勝負で一つの課題に取り組む機会が多く与えられます。
時には、「なんでAさんはこんなヒドイ事を言うんだ。」「なんでBさんはあんな行動をするんだ。」と自分の常識では考えられない状況を目の当たりにしてストレスが溜まることも多々あります。
そこで感情的になって喧嘩になってしまえば、与えられた課題を完了させることができず単位を失うことになります。
MBAのグループワークでは、Diversityのある状況下で、如何に冷静沈着に正しい判断をする訓練をすることができます。
まとめ
・「細かすぎて伝わらないMBA後のキャリアに必要な本当のスキル」とは、「感情コントロール力」です。
・良いニュースと悪いニュースがある日突然やってきます。これに感情を揺さぶられることなく、経営判断するスキル、つまり「感情コントロール力」が経営層には求められます。
・「感情コントロール力」があるリーダーは、周りの厳しい感情の中、冷静沈着に経営判断を行うことができるものです。
・MBA取得後、経営層に近い仕事をしたいのであれば、この「感情コントロール力」を磨いていく必要があります。
MBA取得後に起業したいです、という人への忠告
MBA受験の相談に乗らせて頂いている中で、「MBA取得後は起業したいです。」という方が結構います。
私は、会社員の道を脱落して起業することになったのですが、そんな起業家精神溢れる若い人を応援したくなります。
ただ、当たり前ですが起業がそんなに甘くはありません。
今回のブログでは前半で「将来起業したいです」という人への忠告、をお届けします。
私自身、何の成功もしていないしょぼい人間が何を言えるのか、ということもありますが、まあ最後まで読んでください。
そして、後半では「MBAのアントレプレナーシップ」について、お届けします。
月1回の奇跡
「MBA取得後起業したいです」という人への忠告。
それは「『月1回の奇跡』を放棄する覚悟ができていますか?」ということ。
会社員であれば、月1回、あなたの銀行口座に給料が会社から必ず振り込まれます。
どんなに仕事とサボっていても、
どんなに結果を出さなくても、
どんなに上司からの評価が低かろうが、
あなたが会社に在籍している限りは、必ず月1回あなたの銀行口座に一定の給料が振り込まれます。
特にそれが日本企業であれば尚更です。
誤解を恐れずに言えば、犯罪を犯したり、自分から辞めると言わない限りは、会社は便利なATMです。
これを奇跡と呼ばずして、なんと呼ぶべきでしょうか?
起業家には、月1回の奇跡は起こりません。
仕事をさぼったら給料ゼロです。
毎月結果を出し続けなければ給料ゼロです。
お客さんに見放されたら給料ゼロです。
融資はただの借金ですし、役員報酬は毎月貯金から切り崩しているようなものです。
自分で毎月お金が入っている仕組みを作らなければ食っていけません。
アメリカの有名な投資家であるロバートキヨサキさんも、このような事を言っていました。
「会社員時代は仕事中に事務所にあるコーヒーを何気なく飲んでいたが、自分でビジネスを始めたら、そのコーヒー一杯一杯も自らの費用であることを再認識した。」
「会社を辞めて初めて、会社は自分を雇うためにどれだけ大きな費用をかけていることを知った。」
この「月1回の奇跡」という言葉は、私の言葉ではありません。
私が起業する際にお世話になったある先生の言葉です。
「川尻さんは『月1回の奇跡』を放棄する覚悟ができていますか?」
これを言われたときはとても怖かったのを覚えています。
「将来は起業したい」とは思ってはいたものの、会社員としてしょぼい私は、全く会社に貢献できていませんでしたし、上司に怒られることはしょっちゅうあっても、褒められることなんてありませんでした。
実績についても、上司が出したのか、私が出したのか、曖昧でしたし、少なくとも私一人の力で会社に利益を持ってくるなんてことは、ほとんどなかったかもしれません。
そんな私が起業して、月1回定期的に成果を出せるのか?
そんな私が起業して、月1回お客さんが私にお金を出してくれるのか?
起業したら、この仕組みを自ら作り回していく必要があるんです。
この先生の言葉を、そのまま皆さんに送ります。
皆さんは、『月1回の奇跡』を放棄する覚悟ができていますか?
MBAと起業家精神学(アントレプレナーシップ)
続いてMBAと起業家精神学(アントレプレナーシップ)についてみていきましょう。
北米、欧州、アジアのどの地域であっても、MBAプログラムを提供する各スクールの情報をみていると、「アントレプレナーシップ」という言葉が出てきます。
私がMBAを取得したオーストラリアのクイーンズランド工科大学のビジネススクールもアントレプレナーシップに非常に強いスクールでした。
(当時は、New Venture Finance, New Venture Marketing, New Venture Growth and innovationなど、アントレプレナーシップに関する科目については、門外不出のスクール独自のテキストを使っていました。)
「アントレプレナーシップに強いスクールは、将来起業を目指す人向け」と考える人がいますが、必ずしもそうではありません。
もちろん、将来起業を目指す人にはとても有効なプログラムですし、そのようなゴールを見据えたクラスメートもきっと多いでしょう。
しかしながら、MBAのアントレプレナーシップでは、「事業をゼロから立ち上げるノウハウ」「リスクをとって挑戦するマインド」などを身に付けるものです。
これらは、企業のマネージャーやリーダーとして会社に貢献していく過程で必ず必要なスキルであると思います。
会社の新事業で全く新しい市場開拓を命じられる可能性もありますし、どんな事業であってもリスクをとって挑戦するマインドがなければ大きな成功を勝ち取ることはできません。
もっと言えば、小さいビジネスが順調に立ち上がるかどうかは、初期の「マーケティング力」がモノを言います。誰にも知られていないような商品やサービスをどうやって広めるのか、どうやってお客さんを獲得するのか、が重要なのです。
そういった意味でもマーケティングに興味がある人にはアントレプレナーシップに強いビジネススクールとの相性はいいものです。
まとめ
以上の通り、今回は起業とMBAについて考えてみました。
まず、MBA取得後に本気で起業したいという人は、「『月1回の奇跡』を放棄する覚悟ができていますか?」この問いかけを自分自身にしてみましょう。
最近ではどのビジネススクールでも、アントレプレナーシップに力を入れています。これは、将来起業を目指す人だけではなく、会社員として活躍していくためにも必要なスキル、マインドです。
スタートアップでは初期のマーケティングが成功のカギですので、特にマーケティングに興味のある人はアントレプレナーシップに強いビジネススクールとの相性は抜群です。
MBA進学か?転職か?で悩んでいる人へ
定期的に開催しているMBA相談会では、毎回多くの人達との出逢いがあります。その中では、「MBA進学か?転職か?」という悩み相談も受けることがあります。
MBA相談会へ申込み頂く多くの人たちは、MBAへの挑戦の他、もう一つのオプションとして転職を選択肢に考えています。
やはり、MBA相談会に申し込まれるような方は、「現状を打破して何とか環境を変えたい」と言う気持ちが強いのだと実感します。
サラリーマンの方々の場合、環境を大きく変えるためには、「MBAなどの学位を取得留学」か「転職」の2つの選択肢が思い浮かぶでしょう。そのような理由から、MBA LoungeのMBA相談会にお申し込まれる方々には、MBA進学と同時に転職を考えている人が多いです。
MBAへの挑戦か?
それとも転職か?
これは人生に大きな影響を及ぼすテーマかと思います。今回は、「MBA進学」と「転職」で迷っている方々に向けてお話をします。
マトリックスを作ってみる
MBA進学か?転職か?の相談を受けるとき私がよくお話しているのは、マトリックスを作って、可視化してみましょう、というものです。
私自身、これまでの人生の選択肢で悩んだ時にいつも行っている方法です。
マトリックスを作り、各項目に◎、〇、△、×とマークをしていく方法です。紙に書き出して可視化することです。
例えば、こんな感じで。
一見単純な作業で意味があるのか?と思ってしまうかもしれませんが、可視化することで結構頭の整理ができる、ものです。
私自身は、MBAへ進学か転職かで悩む事は一切ありませんでしたが、どこのビジネススクールにしようか、についてはかなり悩みました。
MBA後の就職先についてもかなり悩みました。
自分のビジネスを立ち上げるとき、何のビジネスにしようか、ついてもかなり悩みました。
このように、私は過去の人生で大きな悩みを持った時は、マトリックスを作ることで重要な判断をしてきたんです。
もし、MBAへ進学か転職かで悩んでいる人は、一度騙されたと思ってまずはこのようなマトリックスを描いてみてはどうでしょうか。
とにかく悩む
MBAへ進学か転職かで悩んだときの対処法2つ目は、とにかく悩んで悩んで時間をかけることです。
、、、、とにかく悩んでいるから困っているのではないか!
そう思う人がほとんどだと思います。
でも、私が思うに人生の重要な岐路で悩んでいるときは、「とにかく悩む」ことが解決策です。
悩んでいるのは時間が勿体ないからと、他人の言われた通りで決めてしまったり、思考を停止して単純にラクな選択肢を選んで決めてしまうと後々、後悔に繋がる可能性があります。
これは私自身の過去の経験からです。悩んでいるのが面倒くさくなって適当に決めてしまったり、他人の言うがままに決めてしまったりしたことは、後々後悔に繋がっています。
正直申し上げますと、あなたが悩んでいる二つの選択肢は、きっとどちらも正解です。どちらの道に進んだとしても、きっとそれなりに結果を出していけるのだと思います。
でも、他人の言うがままに決めてしまったり、自分自身で苦労して悩むという過程をすっ飛ばしたりすれば、何かトラブルや困難な状況が発生したときに「あの時にもっとしっかりと考えていれば良かった。」と後悔をしてしまうものです。
しかし、悩みに悩んで出した結論であれば、その後どんな困難が降りかかったとしても「あの時あれだけ悩んで出した結論なのだから、頑張るしかない。」と自分を納得させてモノゴトに励むことができるのだと思います。
要は、MBA進学か?転職か?で悩んだ時点できっとどちらも正解なんでしょう。
心の持ちようだということです。
ハードルが高そうな選択肢を選ぶ
MBA進学か?転職か?で悩んだときの対処法3つ目は、「ハードルが高そうな選択肢を選ぶ」ことです。
もちろん、現在の環境を変えるための選択肢として「MBA進学か?転職か?」ですので、どちらもハードルが高い選択肢であることには間違いありません。
でもその中からあえて、よりハードルが高そうな方を選択肢として選ぶことで、より自分を成長させることができるはずです。
これも私自身の経験からです。過去に後悔したモノゴトの多くは「ラクな方」を何となく選んでしまった場合です。もっと自分を信じていればもっと高いレベルで仕事ができたのではないか?なんて考えてしまうこともありました。
ハードルが高くより困難な方に挑戦する勇気も必要ですね。
「あの人だったらどうするだろう?」と考える
MBA進学か?転職か?で悩んだときの対処法、4つ目は、自分が尊敬している人やロールモデルといしている人が「自分と同じ状況になったらどのような判断をするだろう?」と考えてみることです
あなたは今までの人生の中で尊敬する人やロールモデルとなっている人はいますか?
面識ある人だけではなく、著名人でも映画や小説などの登場人物でもいいです。
そんなあなた自身が尊敬する人は、「自分と同じ状況になったらどのような決断をするだろう?どのような行動を起こすだろう?」と考えてみることです。
私にも尊敬できる人物が何人かいます。それは前の会社の上司だったり、取引先の担当者だったり様々ですが、場面によって、何か決断に困った時は「あの人だったらどのような判断をするだろう。」と考えて、道しるべにします。
このように、尊敬できる人やロールモデルがいれば、その人だったらどうするだろう、と考えてみてはどうでしょうか。
まとめ
MBA相談会では、MBA進学か?転職か?で悩んでいる人達と出逢うケースがあります。
この悩みは、現在の環境を変えるための試みとして大変素晴らしいことですね。
私自身の経験からは、その対処方法として以下がおススメです。
1. マトリックスを作ってみる
2. とにかく悩む
3. ハードルが高そうな選択肢を選ぶ
4.「あの人だったらどうするだろう?」と考える
オンキャンパス(対面型)MBA、オンラインMBA、EMBAで価値が変わりますか?
海外MBA受験や海外MBA留学に関する相談会でよく頂くご質問があります。
「オンキャンパス(対面型)のMBAとオンラインMBAとでは価値が変わりますか?」
「オンラインMBAだと企業からの評価は低いですか?」
「MBAとEMBAとではどちらの価値が高いですか?」
MBAにも様々な種類や呼び方があります。
オンキャンパス(対面型)MBA、
フルタイムMBA、
パートタイムMBA、
オンラインMBA、
EMBA(Executive MBA)
今回の記事では、それぞれの海外MBA学位の価値や企業からの評価についてのお話をいたします。
結論:企業が学生何を期待いるのか、による
それぞれの海外MBA学位の価値や企業からの評価について、結論から申し上げますと、「採用する企業が学生に何を期待しているのかによる」です。
巷で話題となるMBAランキングは、基本的にはオンキャンパス(対面型)のフルタイムMBAを指す場合が多いです。そのため、名声を意識する受験生は現地に留学してフルタイムのMBAを目指す方が多いですし、採用する企業側もその点を重視してきました。
しかし、最近では学び方も多様化し必ずしも「学生に戻って現地で1年から2年の期間を勉強に集中する」わけではなくなってきています。
オンキャンパスにはオンキャンパスの良さがあり、オンラインにはオンラインの良さがあります。そして、企業側も「どんな人材が欲しいのか?」によって求職者を品定めします。必ずしもMBAならオンキャンパス(対面型)MBAのフルタイム、というわけではありません。
もちろん、どのMBAであってもビジネスを体系的に学び、相応の知識やリーダーシップ力、コミュニケーション力を習得していることが前提です。
この前提を踏まえたうえで、具体的に企業は各種MBAプログラムをどう見ているのかを解説します。
オンキャンパスMBA学生に企業が求めるもの
オンキャンパス(対面型)MBAは、現地に留学して現地のキャンパスで対面で学ぶMBAプログラムです。オンキャンパス(対面型)MBAは、フルタイムMBAとパートタイムMBAに分けられます。
フルタイムMBAは、現地国にて学生ビザを取得して学生の身分としてMBAを受講する全日制のプログラムです。履修期間は1年から2年くらいのプログラムが多いです。国によっては現地でインターンやアルバイトが可能です。
パートタイムMBAは駐在員や移住者など何らかの形で現地に滞在している人が夜間や週末に通うプログラムです。履修期間は1.5年から4年くらいです。パートタイムMBAの学生には学生ビザが発行されないので、その国・地域への滞在手段がない人はパートタイムMBAを受講することができません。
MBAで習得できる多方面におけるビジネス知識やリーダーシップ、コミュニケーション力に加え、求人企業が現地での対面型MBAの学生に求めるのは、主に以下の3つです。
「たくましさ」
「国際感覚」
「語学力」
勉学からプライベートまで異文化の地で1年から2年、もしくはそれ以上の期間を過ごすことで得られる経験はオンラインとは違います。企業側も上述の3つの財産「たくましさ」「国際感覚」「語学力」を高く評価します。
一人で海外を飛び回り交渉をまとめてもらいたい、
様々な国の取引先や顧客との商談をリードしてもらいたい、
などを求める企業にとっては、現地でMBAを学んだ学生を求める傾向にあります。
オンラインMBA学生に企業が期待するもの
オンラインMBAは、文字通りオンラインで受講するプログラムです。例えばスクールが欧州にあったとしても日本で働きながら夜間や週末にオンラインで受講する形になります。履修期間は1.5年から2年くらいのプログラムが多いです。また、スクールによっては履修中に数回現地で学ぶ機会があります。
MBAで習得できる多方面におけるビジネス知識やリーダーシップ、コミュニケーション力に加え、求人企業がオンラインMBAの学生に求めるのは、主に以下の3つです。
「タイムマネジメント力」
「向上心」
「オンライン力」
勉学、仕事、プライベートの3つをバランス良くこなすことは決して簡単ではありません。これを遂行するために求められる「タイムマネジメント力」は評価に値するでしょう。
また何と言ってもフルタイムで働く社会人でありながら、自らのビジネス力向上のために費用を捻出し、プライベートの時間を割いてまで学ぶ向上心を持つ人材は大変貴重です。MBAを学ぶ重要性が分かっていても多くの人は「やりたい、やりたい」だけで終わってしまいます。そんな中自らのお金と時間をかけて実際に行動に移すにはよほどの向上心がなければできないことです。「向上心」を持つ人材を求める企業には、オンラインMBAの学生が魅力的に映るはずです。
そして「オンライン力」。利便性やスピード感が重要なビジネスの世界ではオンラインでモノゴトを進める機会も増えてきています。それでもチームで問題が生じたときは、相手を説得したりメンバーの仲裁に入るには、対面で話すのが一番です。そんな状況でもオンラインMBAでは「直接対面で話す」ことができないがゆえに、複雑な案件もオンラインで完結させる能力が求めれられ、実際にそのスキルを習得することができます。そんな人材を求める企業にとって、オンラインで学んだ人材を評価するでしょう。
EMBA学生に企業が求めるもの
EMBAはExecutive MBAの略で、シニアマネージャー向けのMBAプログラムです。上記の各種プログラムの学生の平均年齢が27歳から35歳くらいに対し、EMBAの学生平均年齢は35歳から40歳くらいです。現役バリバリで働いているシニアレベルの学生を対象としているため、パートタイムとなり、スクールによっては授業は毎週末、または数カ月に一度渡航して対面講義があるなど、カリキュラムはスクールによって様々です。
求人企業がEMBAの学生に求めるのは、主に以下の2つです。
「より高度なリーダーシップ力」
「人脈」
EMBAを履修する学生の多くは、各企業で現役バリバリのシニアレベルのマネージャーたちです。そんな百戦錬磨のマネージャーたちと一緒にディスカッションしたりグループワークをしたりすることは、自分のレベル、特にリーダーシップ力をもう一段も二段も引き上げるには絶好の機会です。即戦力でリーダーシップを発揮するポジションを求める企業にとっては、EMBAで鍛え上げられた人材は魅力的に映るはずです。
また、EMBAでは高度な人脈構築にも大変有利です。EMBAでは様々な国・地域の様々な業界のシニアレベルのマネージャーと密なコミュニケーションをとってグループワークを行います。ハードなEMBAの課題に対して共に苦しみ、共に喜ぶ体験は、中々できるものではありません。このような経験をした仲間同士の絆は大変強固です。企業にとって、世界中の様々な業界のシニアレベルのビジネスパーソンとの人脈をもった人材は大変魅力的です。
まとめ
どのMBAプログラムであっても、多方面におけるビジネス知識やリーダーシップ、コミュニケーション力を習得することは可能です。そしてそれらの履修形態により、オンキャンパス(対面型)MBA、オンラインMBA、EMBAの学位について、企業が評価する価値はそれぞれです。どのプログラムが優れている、劣っているという議論は意味をなさないと思います。
それぞれどんな価値を持つのかは、採用する企業が何を求めているのかによります。
もしあなたが、どのMBAプログラムで履修をするべきか悩んでいるのであれば、まずは自分の将来のキャリアを明確にして、自分はどんなスキルを習得していきたいのか、どんな側面で会社に貢献をしていきたいのか、を考えてみては如何でしょうか。
三流大卒、零細企業勤務者向け必勝マニュアル(キャリア編)
三流大卒、零細企業勤務など、自分の経歴が輝かしくないと心配されているMBA受験生さん向けに、前回の記事では「三流大卒、中小零細企業勤務者向け必勝マニュアル(MBA受験編)」としてお届けしました。
今回は、その「キャリア編」です。
「三流大卒で零細企業勤務では、ろくに転職もできないのではないか、会社での出世も限られているようで、将来不安なんです。」
定期的に開催しているMBA相談会で、たまにこのようなご相談を頂くことがあります。
今回は、前回と同じく自分の経歴が輝かしくないと心配される方々へ向けて、転職や出世など、今後のキャリアで勝ち残るための必勝マニュアルをお届けします。
出身大学や勤務先で市場価値は決まるのか?
では、そもそも出身大学や勤務先でその人の市場価値は決まってしまうのでしょうか?
新卒の就職の段階において、出身大学でふるいにかけられるのは仕方がないと思います。一流大学を卒業した人は、受験勉強その他を頑張って勝ち取った一流大学での学位取得なのですから、それはそれでしっかりと評価されるべきです。
しかしそれは、あくまでも新卒での就職までの話。
一旦会社に入ってしまえば、あとは完全に実力勝負の世界です。一流企業であろうと零細企業であろうと、社会に価値貢献している部分は同じです。
もちろん、スタートラインの時点では、一流大学、一流企業勤務の方が有利かもしれません。でも、社会人人生は約45年ととても長いです。一旦社会人になれば、もう過去も学歴や職歴など関係ありません。
「会社に利益をもたらすことができる人間かどうか。」
単純な話、これがとても重要になります。
強みとなるビジネス知識や専門性を習得する
そんな、「会社に利益をもたらすことができる人間かどうか。」で重要な指標の一つが、言うまでもなくビジネス知識や専門性です。
今さら学んでも遅い、、、なんてマイナスなことばかり考える人もいますが、学習に遅すぎることはありません。
現在、社会人の間では「リカレント教育」が大きな話題になっています。リカレント教育とは学び直しのこと。つまり、大学を卒業して社会人に出た人が、再び学校に戻り学習し直すというものです。
学校と行っても、必ずしも学位が伴うような大学院やMBAを取得するためにビジネススクールに通う必要はありません。もっと気軽にできる社会人向けの短期講義やセミナーであっても問題ありません。もっと言えば、独学でマーケティングの本を読み漁ったりするのでもいいです。
重要なことは、このように何かしら学んだことを仕事に活かして成果を挙げることです。
そこには、学歴は全く関係ありません。
今、この瞬間が未来の人生の中で、一番若いです。
リカレント教育を始めるのであれば、今が最適なタイミングかもしれません。
将来的に最も重要なのは人間性
上述の通り、自分の市場価値を高めるにはビジネス知識や専門性が重要ですが、本当にキャリアで成功するには、ビジネス知識や専門性だけでは不十分です。
ビジネス知識や専門性が評価されるのは、役職が低いうちだけ。一般的に、役職が上がれば上がるほど、市場での役割が大きく変わってきます。
どんな業界であっても、結局ビジネスを動かすのは「ヒト」です。一緒に仕事をしたい、この人を信じてついて行きたい、そんなふうに慕われる人がお金と成功を呼び込むんです。そしてこれは、役職が上がれば上がるほど効果を発揮します。
規律正しく、人の気持ちを理解でき、周りの人間全ての幸せを願う、そんな人格者でなければキャリアで成功することはできません。
もちろん、ここにも学歴や職歴などは関係ありません。
これはMBA受験においても、ビジネススクールが重要視している項目の一つです。全くの外部の人間を、長年築き上げてきた信頼のおけるスクールのコミュニティに加入させるわけですから、彼らも慎重に受験生の人間性をチェックします。経歴が素晴らしいとか、頭がいいとか、とはまた別次元に重要な項目です。
三流大卒でも中小零細企業勤務でもいい。ヒトとして素晴らしい人格を形成していくことがキャリア成功のうえで最も重要です。
起業する
三流大卒、中小零細企業勤務という経歴が原因で、将来のキャリアが心配な方々におススメするのは、思い切って起業することです。
起業は、学歴も職歴も全く関係の無い完全実力主義の世界です。
求められるのは「結果」だけ。
その結果は、多くの仲間の協力やお客様からの信頼があってこそ獲得ができるものです。
それらを獲得するために必要なのが、上述の「ビジネス知識」「専門性」、そして起業家の「人格」の3セット。このどれかが欠けていたら起業で成功するのは難しいでしょう。
学歴や職歴を嘆いて将来のキャリアに不安を持っているのであれば、すぐにこの「ビジネス知識」「専門性」「人格」に磨きをかけていくようにしましょう。
起業の世界においては、過去のことなんて全く関係ないんです。
まとめ
三流大卒、中小零細企業勤務という経歴が原因で将来のキャリアに不安を抱いている方々に伝えたいのは、学歴や職歴は社会に出ればいくらでも挽回できるということです。
強みとなるビジネス知識や専門性を習得して、ビジネスパーソンとして結果を出すことを意識しましょう。学歴や職歴で仕事をしているのではありません。
キャリアで成功する人は、ビジネス知識や専門性の他、優れた人格を持ち合わせています。そのような人が、周りの人間からの協力や信頼を獲得することで初めてキャリアでの成功が可能となります。
キャリアを形成する上で、自分が学歴や職歴で不利だと感じたところで、過去は過去です。未来に目を向けてこれから何を獲得していくべきかに注力して、将来のキャリアゴールの実現を目指していきましょう。
三流大卒、中小零細企業勤務者向け必勝マニュアル(MBA受験編)
三流大学卒の私でもMBA受験で競争していけますか?
中小零細企業勤務の私は今後のキャリアの可能性はどうお考えですか?
将来のキャリアを心配される社会人の方々から、このような相談を受けることがあります。
MBAを目指すのは一流大学を卒業していて一流企業に勤めている人達に限られるのではないか、三流大学卒業で中小零細企業勤務している自分がMBAを目指すのは現実を理解できていないのではないのか?
そんな心配をされている方々も多いです。
今回の記事は、そんな三流大学卒で中小零細企業勤務の方々がトップスクールに合格するためのMBA必勝マニュアルです。
本題に入る前に
まず、本題に入る前にお話をしておきたいことがあります。
それは、あなたが三流大学卒であっても、中小零細企業勤務であっても、MBA受験において不利になることはありません、ということです。もちろん、トップ中のトップスクールであれば、どうしても経歴が見劣りして不利になるケースはあります。これには各スクールの方針がありますので仕方がないことです。
それでも、トップから中堅のビジネススクールであれば、三流大学卒で中小零細企業勤務でも十分チャンスはあります。
自分は三流大学卒で中小零細企業勤務だから、という理由だけであなたの夢をあきらめないでくださいね。
競争を徹底的に避ける
三流大学卒、中小零細企業勤務でトップスクールに合格するには、とにかく競争を避けることです。
一流大学卒や一流企業勤務の方々と真正面から勝負してもかなり厳しい闘いを強いられます。実際は、出身大学や勤務先でその人の実力やポテンシャルなどが分かるわけではないのですが、あなたと面識のない第三者が審査することなので、それはある意味仕方がありません。MBA受験時においてできることは、彼らと競争しないことです。
小さい頃から勉強が得意でテストの点数も良い、そして先生にもよく褒められていたような優秀な人であれば、全国、そして世界中から集まる優秀な人たちと競争して、更にそこで勝利を目指していくことでしょう。大学受験や就職試験で勝ち抜いていった要領で、人一倍努力をして効率的に物事をこなしていけば高い競争率でも勝ちになっていくことができるかもしれません。
一方で、言い方は悪いですが、例えば、MBA Loungeの川尻のように小さい頃から学校の勉強ができるわけでもなく、成績も普通くらいの人、勤務先もパッとしない中小企業勤務。
そんな私のような人たちは、優秀な人たちと勝負しても勝ち目は低いです。だから、彼らと競争してはいけないのです。
では競争しないためには、どうすればいいのか?
それは、自己分析を通じて、自分のユニークなポイントを特定しそれを徹底的にアピールしていくことです。
それは例えば、
中小零細企業勤務であれば、
組織が小さいこと、
ニッチな商品であること、
経営層との距離が近いこと、
川上から川下までの仕事を任されること、
独特な企業文化、
雑草魂、
など、大企業勤務の人では中々経験できないようなポイントを特定してアピールしていくことです。中小零細企業勤務なのに、大企業ぶったり、大企業社員に引けを取らない仕事内容をアピールするのではなく、大企業社員がやっていないことをアピールすることです。
そして、仕事だけではなくプライベートの部分は差別化が有効な項目です。
例えば、
プラベートのユニークな趣味、特技、
豊富なボランティア活動経験、
豊富な人脈、
様々な資格の取得
など。
これらは、その人が人間としての幅広さや仕事以外での経験値をアピールできる材料になります。
自己分析やネタの選定などについては個人差がありますので、流石にこの場では一般論しか話をすることができませんが、とにかくユニークさで勝負することです。
GMATで高スコアを取る
三流大学卒、中小零細企業勤務でトップスクールに合格するには、もちろんGMATで高スコアを取ることです。
上述の「競争しない」という観点から言えば、GMAT不要のスクールに入学するという手もあります。「GMAT不要なスクール=レベルが低い」なんてことは全くありません。自分にフィットしていると思うスクールがGMAT不要であればそれでも全く問題ありません。
また、MBAの世界的な流れでは、トップスクールであってもGMATを免除したり、代替試験を用意したりと受験生の負担を軽減するようなオプションがあったりもします。
でも、志望校がGMAT必須であれば、当たり前ですが高スコアを取ることが必要です。
これには、三流大学卒、中小零細企業も関係ありません。試験当日の一発勝負です。ある意味、今までの経歴を一切排除した「今の自分」の実力をアピールできる絶好の場と言えます。
自分は頭も要領も良くないからGMATで高スコアは取れない?
そんなものは関係ありません。
今まで頭も要領も良くなかったのは今までのこと、これから要領よくスコアが取れるように努力すればいいんです。
三流大学卒、中小零細企業という過去は変えられません(経歴で人の価値は変わらないので変える必要もないと思いますが。)それが不利だと思うのであれば、それをチャラにしてくれるGMATは正に恵の試験です。
まとめ
三流大学卒で中小零細企業勤務の方々がトップスクールに合格するためのMBA必勝方法があります。
1つ目は「徹底的に競争しないこと」です。自分の置かれた状況をしっかりと観察すれば、他の人には真似できないあなたのユニークな特徴があるはずです。自己分析を徹底的に行い、他人と差別化することでトップスクール合格する可能性は上がります。
2つ目は「GMATで高スコアを取ること」です。当たり前ですよね。はい、そうです。自分の経歴が不利だと思うのであれば、努力に努力を重ねて徹底的に対策することです。今まで要領が悪かったと思うのであれば、それは今までのこと。今日から要領よくできるように徹底的に努力していくことです。
IE(スペイン)MBA紹介とキャンパス散策
IEビジネススクールは、スペインの起業家が起業家育成を目的として1973年に設立されたビジネススクールです。イギリスのFinancial Times誌が「Unusual School with Unusual People」と呼ぶほど強い個性と多様性を持っています。
キャンパスは、マドリード中心部と郊外に合計3つのキャンパスがあります。MBAの学生は市街中心部に位置するメインキャンパスで学んでいます。
MBA Loungeによるスクール紹介動画はこちら。
International MBA(フルタイム)
12カ月、15カ月 (1月または9月スタート)
平均年齢 : 29歳
生徒国籍数: 約75
International students : 90%
Full time MBA : 約250人(うち日本人10人前後)
Global Online MBA(オンライン)
17カ月、24カ月、30カ月 (2月または10月スタート)
平均年齢 : 32歳
生徒国籍数: 約50
International students : 95%
通学期間 : Madridに約1週間 × 3回
Global Executive MBA(オンライン+対面)
15カ月 (5月または10月スタート)
平均年齢 : 40歳
生徒国籍数: 約22
International students : 90%
通学期間 : Madridに約1週間 × 3回
IEの特徴
起業家が設立したスクールということでアントレプレナーシップの評判は世界最高峰で卒業生の多くは起業をしています。
上述の通り、「Unusual School with Unusual People」と呼ばれるビジネススクールだけあって、個性あふれる様々な学生が世界中から集まってきます。
入学審査も他のスクールとは違って独特で、CVやエッセイ、オンライン試験、インタビュー対策を通じて様々な視点かUnusualな受験生であるかどうかを審査されると言ってもいいでしょう。
私見ですが、ただ単に「頭がいい」「成績優秀」「将来のエリート候補」だけでは、入学が厳しいかもしれません。
IEキャンパス散策
MBAの学生が学ぶIEのメインキャンパス外観です。
IEメインキャンパス地下にあるArea31。ここで色々なイベントや投資家へのプレゼン大会などが開催されます。
ビジネス街に位置するIEタワーです。
IEタワーからはマドリードが一望できます。
クラスルームです。
MBA個別相談会で頂く質問3つについて解説
MBA Lounge が定期的に行っているMBA相談会では、本当に様々な相談に乗らせていただいております。
相談に来られる多くのMBA受験生さんは、真剣に自分のキャリアを考えており、MBAカウンセラーとして私も相談者さんを応援したい気持ちでいっぱいになります。
そこで今回は、MBA Lounge が開催するMBA相談会でよくいただく相談内容3つについて解説します。
MBA相談1:MBAを取得すれば年収は上がりますか?
最初の相談内容は、「MBAを取得すれば年収は上がりますか?」です。
回答としては、「上がる可能性は高くなりますが、タイミングや人によります。」となってしまいます。
MBAは弁護士資格のような独占業務はないので、どうしてもその人次第、と言わざるを得ません。
でも、そんな中でも、MBAを取得して確実に「増える」ものがあります。
それは、「MBAを取得すると選択肢が増える」ということ。
MBAを取得すると、年収が上がる保証はないけれども、選択肢は確実に増えます。
特にこれは理系の経歴の方々に顕著です。
例えば、今までのキャリアでずっと医療関係の研究職をやって来た人が転職を繰り返しても、同じ業界の同じ職種やその周辺領域をグルグルするケースが多いです。
そこに、MBAへ投資してビジネス全体を体系的に学ぶスキルを身に付けると、理系+マネジメントの最強戦士となり、選択肢の可能性がグンと上がります。
研究職からコンサルタントへ、または、研究職から経営企画へ、と今までの専門分野を活かしつつ、よりビジネスよりの仕事にシフトすることが可能です。
もちろん、研究職が好きであればそのまま研究職に留まって、その中でリーダーシップを発揮する仕事をすることができます。
人生やキャリアを充実させるためには、「やりたい事をやる」のでなく、「やりたくない事はやらない。」ことの方が精神的にずっと安定します。
選択肢が多いというには、人が幸せになる要素の一つです。
MBAを取得することで「やりたくない事をやらなくて済む」可能性が高くなります。
あなたが今一番やりたくない事はなんですか?
GMAT?
MBA取得すればGMATもやらなくても良くなります。
また、文系の経歴の受験生であっても同じことは言えます。
アメリカの大学の教養学部(General Studies)を学んだあと、最初に就職した会社は住宅メーカーでした。そこでは主に北欧からの木材購買の仕事に携わっていました。
自分の専門は「木材」または「物流」かな、、、なんて思っていた時期にMBA留学を決意しました。
MBAでは、主にMarketingとEntrepreneurshipにフォーカスをして、卒業後には台湾のシステム家具メーカーで、事業開発の仕事に従事することができました。
MBAを通じてチェンジすることができる項目として「Location(場所)」「Industry(業界)」「Function(職種)」がありますが、私の場合は、この3つの項目全てをチェンジしたことになります。
もちろん、これはMBA留学無しではなし得ることができなかったはずです。
MBA相談2:進学先は、有名ビジネススクールを選ぶべきですか?
MBA相談会でよく頂く相談2つ目は、「進学先は、有名ビジネススクールを選ぶべきですか?」です。
有名ビジネススクールであればあるほど、授業料が高額の傾向にありますし、英語試験やGMATなどでもより高いスコアを求められる傾向にあります。
時間も費用も限られている中で、これらの難関を乗り越えてまで有名ビジネススクールに行く必要があるのか、または準備期間や費用を抑えた形で、進学先を選択するべきなのか。
他の記事やYouTubeなどでも何度かご紹介していますが、結論から申し上げますと、「将来の目指すゴール」によります。
誤解を恐れずに言えば、経歴自体がサービスの一部になるような職業、例えば、経営コンサルタントや大学教授、弁護士などは、有名なビジネススクールのMBAを取得した方が仕事は取りやすいはずです。
そして、これが何年も続いていけば、有名ビジネススクールに高い学費を払っても費用対効果は十分にあるでしょう。
一方で、事業会社の企業幹部を目指す場合、有名なビジネススクールのMBAである必要性は、上記の職業ほどではないかもしれません。それよりも、就職先となる事業会社の方針や戦略によって、特定の国や地域でのMBA留学経験やネットワークを持っている方が会社にとっては重要かもしれません。
例えば、今後アジアで地盤を固めたい事業会社に就職する場合は、アジアでのMBA経験、やネットワークなどが採用側にとっては、有名ビジネススクールを卒業しているかどうかよりも、より魅力的に映るかもしれません。大企業よりもスタートアップなどの小さい企業の方がその傾向はより強いでしょう。
自分で事業を立ち上げるいわゆる起業する場合も同様です。有名なビジネススクールの学位を持つことよりも、自分が起業したい分野や成長戦略によって、それに適した地域のビジネススクールなどを選ぶことの方が重要かもしれません。
もちろん、よりダイバーシティーがあり、企業で上級職につくような人たちとのネットワークが非常に重要であれば、無名なところよりも有名ビジネススクールの方が、より質の高いネットワークが構築できる可能性もあるわけで、そこは、自分が将来得られるものと、時間や費用との支出のバランスを考えながら慎重に検討していく必要があります。
MBA相談3:私にMBAが必要だと思いますか。
様々な生徒さんとMBA相談に乗らせて頂いていると、「経験豊富な川尻さんから見て、私にMBAは必要だと思いますか。」という質問がでてくることがあります。
このような相談を受けるたびに、私は相談者さんに対して「あなたが将来やりたい事は何ですか」と聞くようにしています。
その将来のやりたい事と照らし合わせて、それがMBAという経験、そして学位があった方がいいのか、で見極めることになります。
上述の通り、MBAを取得することで将来の選択肢は確実に増えますので、基本的にはMBAはもちろん無いよりはあった方が良いという話になりますが、その分、費用も時間も労力もかかります。
将来のゴールを達成するには何かしらの行動を起こさなければならないケースも多々ありますが、必ずしもそれがMBAである必要はありません。
さすがにこれについては、個別相談でなければ一概に言えることはできませんが、まずは、将来の目指すゴールという観点から検討していくことになります。
MBA留学中の元受講生さんからの切実な相談
MBA留学中の元受講生さんから、先日こんなLINEを頂きました。
「XXX(スクール名)でのMBA生活が始まりました。予想以上に周りのレベルが高く、ついて行くのがやっとです。(ついていけていない、というのが正しい表現かもしれません。)
クラスメートの英語力はもちろん、頭の回転も早ければプレゼン力も高く、なんか自分が場違いのような不安感を抱いています。」
(※個人情報のため、文章は川尻にて一部加筆修正)
MBA留学を実現したのはいいけれど、周りのレベルが予想以上に高く、大きな不安を抱えていらっしゃるようです。
この元受講生さんだけではなく、MBAが始まったばかりの多くの方は、同じような不安を抱えているのではないようでしょうか。
今回は、そんな方々に向けたメッセージです。
大丈夫。
周りのレベルが高すぎて自分は場違いかも?
大丈夫。あなたのクラスメート全員がそう思っています。
それでも、みんなそのような素振りを見せずに必死で食らいついているんです。
だから、あなたも大丈夫。
騙しだまし、クラスメートと一緒に必死で食らいついていきましょう。
そのうち慣れます。
そもそも、あなたはMBA受験を経て、スクールから正式に「あなたならこの学校でやっていける」と認められたんですから、あなたができないはずがありません。
確か、故野村克也さんの著書だったと思うのですが、「その人のポジションがその人を作る」という言葉があります。
野球で言うなら、ポテンシャルのある選手を4番打者に指名することで、本人は4番打者の自覚をもって必死に頑張るから、結果的に4番相当の打者になる。
MBAでも一緒です。
もしかしたらあなたは、「XXXスクールのMBA学生」としての自信がないのかもしれません。
あなたの今のポジションは、MBA受験中に憧れた「XXXスクールの学生」です。
そのポジションの学生として、自分を騙しだましででも、そのポジションに相応しい学生になるべく、必死で頑張ってみてください。
その頑張り、その努力が「XXXスクールの学生」として相応しい本当の「XXXスクールの学生」にレベルアップさせます。
そして、そんなあなたの姿を見た将来のMBA受験生は、「あなたのようになりたい」と考えてMBA受験を必死に頑張ります。
あなたがそうだったように。
だから大丈夫。
最初は騙しだましででもいいので、「XXXスクールの学生」を演じましょう。
卒業して希望の会社に入社したら、最初は大変かもしれません。その時も同様に「XXXX社の社員」を演じましょう。いずれその頑張り、努力が報われ本当の「XXX社の社員」になれるはずです。
MBA Lounge川尻の経験談
私、川尻もそうでした。
私がオーストラリアでMBA留学したのは2008年。もう12年以上も前のことになりますが、当時の大変さを今でも鮮明に覚えています。
私は高校卒業後アメリカの大学の教養学部卒業後、海外企業からの資材購買の仕事に約6年携わっていました。
資材購買の取引先は、アメリカ、カナダ、スウェーデン、フィンランド、インドネシアなど欧米アジアと多様で、それぞれの取引先との価格交渉を四半期に一回の頻度で行っていました。そのため、英語でのビジネス交渉や、ディスカッションなどにある程度の自信を持っていました。
しかしながら、実際にMBA留学をして自分の能力のなさに愕然としたのを今でも覚えています。
MBA講義はアメリカの学部の講義よりもずっとスピード感がありました。MBAのクラスメートも20代から40代までと幅広く、ビジネスに関する知識が豊富で、一体どこでそんな幅広い知識を身に付けたのかと思うほど衝撃を受けたのを覚えています。
本当に周りの優秀なクラスメートに圧倒されるばかりで、当時私は、「こんな優秀な彼ら彼女らと同じ学位をもらっては申し訳ない。」と思ったほどです。
入学して数ヶ月経ち、そんな優秀なクラスメート達とグループワークをしているうちに、そんな彼ら彼女らであっても、実は自分と同じことを考えていたのを知りました。
つまり、優秀なクラスメート達も、「周りに優秀な学生ばかりで本当に自分がやっていけるのかどうか心配だ。」と常に不安に思っていたということです。
誤解を恐れずに言えば、彼ら彼女らの多くは、自分の与えられたポジションで、それなりの成果を出そうと必死に自分自身を騙し騙し演じていた、と言えるのではないでしょうか。
今の自分よりも少し背伸びをしたポジションで挑戦して頑張ってみる。
MBAだけではなく、職場やプライベートなど様々な場所でこれを繰り返していくことで、本当にそのポジションに相応しいスキルや経験を身に付けていくことができるのだと思います。
自分に与えられた仕事が少し難しいと思うぐらいが一番成長のチャンスです。与えられたポジション相応の人間として認められるために必死に努力して、その積み重ねで人はさらに成長していくものだと思います。
今回のように、MBAのレベルが高すぎて不安を抱いているというこの元受講生さんも、これをきっかけに、より成長するチャンスをつかんだのではないでしょうか。
そう思ってぜひ残りのMBA生活もがんばってもらいたいと思っています。
MBA受験で最近感じたこと:日本人MBAカウンセラーの視点。
日本人MBAカウンセラーとして毎年数多くのMBA受験生さんと接する機会があります。
業界、年齢、バックグランドも本当に様々で、MBA受験生さんと接するだけでもある種のダイバーシティを体感しています。
とは言うものの、一方でMBA受験を検討されている方々は向上心が高く前向きで、自己投資を惜しまない人達であるという共通点もあります。
定期的に開催をしているMBA相談会でも、MBA Loungeの出願サポートの受講生さんでも、勤務先が被っているケースも多々あります。(もちろん、これは個人情報なので私から伝えるはずもなく、本人同士は最後まで知らないケースが多いですが。)
勤務先が同じ受講生さんの場合、たまに感じる「あること」があります。
これって興味深い、でも、注意が必要なことです。
同じ勤務先の人は仕事の仕方が似ている
本人同士は知らないけれど、同じ勤務先の受講生さんと色々やり取りをしてたまに感じること。
それは、「勤務先が同じ受講生さんたちは、やっぱり似ている。」
(もちろん)顔とか、声とか、性格とかではなくて、
仕事の進め方や人との接し方が似ているなぁ、と思うことがたまにあるんです。
もしかしたら完全に私の先入観なのかもしれませんが、
A社の人たちはとても愛想がいい、
B社の人たちはとてもスピード感がある、
C社の人たちはとても慎重、など。
どれが良いとか、悪いとか、ではありません。
ただ似ている、ということです。
会社には会社の働き方がありますので、仕事の進め方が似ていると言われればそうなのかもしれません。
でも一方で、会社は同じでも性格も育った環境も異なる他人なのだから、似ているはずがないとも思いますし、私もどちらかというとそう思います。
でも、MBAカウンセラーとしての経験上、同じ勤務先の人はやっぱり似ているんですね。
ビジネススクールもそう感じているはずだ
そして、日本人MBAカウンセラーである川尻がそう感じるということは、世界の多くのビジネススクールのアドミニも同じように感じている可能性が高い、ということです。
MBAのビジネススクール調査でも、各スクールのセミナーに参加したり、アドミニと話をしたりすることになりますが、そこで多くの場合CV(職務経歴書)を提出して、自分は何者であるか、をビジネススクールに伝えます。
そのようなMBAセミナーや個別相談会を通じてビジネススクールのアドミニもこう思うはずです。
D社の社員は、自己分析がしっかりとできている、
E社の社員は、元気がある人が多い、
F社の社員は、質問が鋭い、など。
このようにプラスの印象であればいいですが、場合によっては、
G社の社員は、英語ができない人が多い、
H社の社員は、覇気がない、
J社の社員は、考えが甘い、
など、マイナスの印象を持たれるケースももちろんあるはずです。
社費であれば、尚更です。
会社でのMBA留学選考ははやり似たような人が選ばれるケースが多いですから。
私費で会社を辞める予定の人達であっても同じようにみられてしまう可能性があるので、それを肝に銘じておく必要があります。
自分自身を客観的に見れるか?
MBA受験で、他の受験生とはいい意味で違う一面を見せるためには、やはり自己分析は欠かすことはできません。そうでなければ、「同じ会社の同じ人間大量生産」になってしまいます。
MBA受験を機に自己分析などを通じて、もう一度自分自身を客観的に見つめ直してみてください。
例えば、今の職場はどんな雰囲気でしょうか?
・周りがみんなスピード感を持って仕事をしている職場ですか?
・イヤな仕事は後回しにしても許される職場になっていませんか?
・気を抜いて仕事をしても上司から喝が入らない緩んだ職場ではないですか?
・相手に強気に、ケンカ腰に出るコミュニケーションが多い職場ではないですか?
このような会社の文化は、本人では中々気付かないものです。外の第三者に指摘されて初めて気づくことが多々あります。
社費留学生はつらいよ
この「同じ勤務先同士のMBA受験生は似ている説」は、転職を一度も経験していない受験生であれば、尚更顕著です。
MBA受験をされる方々の多くは転職を1度か2度ほどは経験しているものです。何度か転職を経験していれば、もちろん自分自身を会社と少し距離を置いて見つけ直すことが比較的簡単だと思います。
転職を一度も経験をしたことがない受験生は、他の会社の人たちの仕事の仕方や考え方などを知る機会も限定されてしまうので、より自分自身を客観的に見つけ直すことが困難になるケースが多いです。そして、社費留学生の場合、ほぼ100%、一度も転職を経験したことがない人たちです。
そんな社費生が、その状況を打破するには、今のウチからプライベートを充実させておくことです。
休日はどんな人と接してどんな活動をしていますか?
その人たちはどんなタイプの人間ですか?
その活動を通じてあなたは何を学びましたか?
休日は、業界、業種、会社規模などがなるべく仕事と遠い人達と接することで、自分自身を客観的に見つめ直すいい機会になるはずです。
年収2,000万円以上のMBA的キャリアを実現するたった1つの方法
MBA取得を目指す社会人の皆さんは漏れなくキャリアを高めたいと思っているはずです。
高給取り(例えば、年収2,000万円以上)になるためのキャリアスキルを高めるために、現状の会社勤務だけでは得ることができない経験やネットワークを習得するため、MBAに学びや出逢いの場を求めています。
もちろん、このキャリアスキルを高める方法は必ずしもMBA取得だけではありません。
今回の記事では、年収2,000万円を軽く超える高給取りになるためのキャリアを実現するたった1つの方法をご紹介します。
結論:サイヤ人になること
「年収2,000万円を軽く超える高給取りになるためのキャリアを実現するたった1つの方法」は、サイヤ人になることです。
、、、、?「サイヤ人」って何ですか?
サイヤ人とは、漫画「ドラゴンボール」に登場する宇宙人で、宇宙最強の戦闘民族と言われています。
そのサイヤ人の特徴の一つとして、「瀕死の状態から立ち直るたびに戦闘力がどんどん上がる」という設定があります。それが宇宙最強の戦闘民族たる所以です。
でも、あなたにもサイヤ人の素質があることを忘れてはいけません。
つまり、あなたも瀕死の状態から立ち直るたびに、高給取りのなるためのキャリアスキル(キャリア戦闘力)がどんどん身に付けていくことができるんです。
もっと簡単に言うと、「失敗すれば成長する」「苦労すれば成長する」ということ。
これが、「年収2,000万円を軽く超える高給取りになるためのキャリアを実現するたった1つの方法」です。
ブラック企業勤務、上司のパワハラ
ブラック企業勤務で労働条件が悪い、又は上司のパワハラによって精神的にかなり辛い、という思いをしている人も多いでしょう。正に身体がボロボロで瀕死の状態。私もそんな経験をしてきたこともありました。
でも、そんな時こそサイヤ人になる絶好のチャンスです。
「こんな状況からは一刻も早く向け出したい。」
「このままでは、自分はダメになる。」
そんな大きな危機感を持ち、苦痛から逃れるために必死に勉強して努力できる人が、キャリア戦闘力を高めることができるんだと私は信じています。
環境を変えるために、資格を取るなり、学校に通うなり、転職活動をするなり、とにかく動いてください。
ブラック企業だから忙しくて勉強する時間がない?
パワハラ上司だから休むとグチグチ言われる?
そんなのは関係ありません。
会社の利益のために相手があなたを理不尽に利用するなら、あなたもそれに対抗して、自分の将来のために休職でも退職でもして、「環境を変える」ためのあらゆる手段を打ちましょう。
あなたの人生がかかっているんです。
ブラック企業勤務、上司のパワハラという瀕死の状態から立ち直ってキャリア戦闘力を高めるには、その位のことをやるしかありません。
MBAでのハードな生活
MBA取得を目指してビジネススクールで徹底的に自分を鍛えるのも、瀕死の状態から立ち直ってキャリア戦闘力を高める手段と言えます。
上述のブラック企業やパワハラ上司ほど切羽詰まった状態ではないかもしれませんが、MBA取得は、経済的にも時間的にも大きな投資をしながらの挑戦になります。
MBA留学であれば、慣れない環境の中、世界中から集まる優秀な学生たちを相手との大変ハードな勉強の日々が待っています。自分にできないことを周りのクラスメートは淡々とこなしているなどの光景を目の当たりにして、上には上がいることを改めて思い知らされる結果になります。
そのハードさに身体的にも精神的にもボロボロになることもあるでしょう。
でも、そんな時こそサイヤ人になる絶好のチャンスです。
自分の年収かそれ以上の費用をかけて挑戦しているMBA留学に、手ぶらで帰るわけにはいきません。
食事の時間も寝る時間も惜しんで、ひたすら勉強、勉強、勉強。
そうすることで、高給取りになるためのキャリアスキルを習得することができるんです。
まとめ
キャリアで大きな成功を収めるには、「3つのT」のいずれかを経験する必要があると言われています。
3つのTとは、「闘病、倒産、逮捕」。
孫正義さんや堀江貴文さんなど、闘病、倒産、逮捕のいずれかを通じて復活した経営者も数多くいらっしゃいます。
彼らの皆、瀕死の状態から立ち直ってキャリア戦闘力を更に高めたサイヤ人です。
流石に「闘病、倒産、逮捕」まではいかなくても、人生において瀕死と思われる状態を経験することはきっとあります。それを不運だったとか、不幸だったとか思わないようにしましょう。
明けない夜はありません。
やまない雨はありません。
それらを経験するからこそ、更にキャリア戦闘力を高めることができるんだ、と前向きに考えていくことです。
MBA知識は10年後も役立ちますか?
「先日、某ビジネススクールのマーケティングのサンプル講義に参加したら1990年のケースを使っていてガッカリしました。」
MBA Loungeの受講生さんからこんな話がありました。
スクールで扱うケースは古くてはダメなのか?
常に最新の方がいいのか?
変化し続ける社会でMBA知識は10年後も役立つのか?
今回はこれに関して回答します。
これを最後まで読む人と読まない人とでは、10年後大きな差がでるかもしれません。
ビジネススクールで学んだことを、100%そのまま活用しようとしているようでは、MBAの知識を役に立てるのは難しいです。
モノゴトは全て「抽象化」して考えることができなければいけません。
例えば、テック系の強い某トップスクールに入学したMBA Loungeの元受講生さんは、最近「Cryptocurrency(暗号通貨)」の講義を取ったそうです。その講義では、Cryptocurrencyが始まった歴史や仕組みについて学んだりするのですが、誤解を恐れずに言うと、それ自体が重要なのではありません。
この講義で身に付けるべきものは、「新しいアイデアをビジネスの現場で実用化するスキル」です。
そう考えると、必ずしもCryptocurrencyの講義ではなくても極端な話、「保険ビジネスの歴史講義」でも「株式の歴史」でも何だっていいんです。
私がMBA留学していたときは、当時最新のケースだったGoogleがYoutubeを買収した戦略について学びました。当時Youtubeは設立からたったの18ヵ月のベンチャーでした。
ここから、「今後のトレンドを見る目」や「ベンチャー企業買収手法」「交渉技術」「企業ポートフォーリオ」など、今でも学べることは沢山あります。
このブログ記事もMBA留学者向けの配信ですが、MBAを抽象化して考えれば、転職、就職、結婚、キャリアなど様々な分野で応用できると思っています。
このように、モノゴトを抽象化して考えれば、MBAのケースが古くても学べるし、10年後でも役だつ考え方を身に付けることができると思います。
MBAランキング:有名校と無名校に進学するそれぞれのメリット
MBAランキングは、MBA取得を考えている社会人の方々がビジネススクール選びをする際に重要な基準となります。
MBAランキングによって世の中のビジネススクールが、有名なのか無名なのか、で分けられてしまっている現状も決して否定はできませんが、進学先をMBAランキングが高い有名校で選ぶメリットは、もちろん多々あります。
ただ、人によっては「私の行く(目指す)ビジネススクールはMBAランキングが決して高くなく無名のですが、メリットはあるのでしょうか。」という相談も頂くことがあります。
私の回答としては、自信をもって「はい、有名校ではもちちん、無名校であっても進学するメリットはあります。」と言えます。
そこで今回は、前半で一般的にMBAランキングが高いと言われる有名校へ進学するメリットをお話して、後半で、あまり知られていない無名校へ進学するメリットについてお話をします。
※なお、ここで言うMBAランキングが高いor低い、有名・無名の基準については、皆さんの判断にお任せします。
まず、MBAランキングが高い有名校のメリットは?
MBAランキングが高い有名校へ進学する最大のメリットは、「有名校のブランド」を利用できることだと思います。そしてこのメリットは、MBA在籍中ではなく卒業後も一生受け続けることができるものでもあり大変強力です。
あえていやらしい言い方をすれば、そのスクールの先輩方が長年かけて築き上げてきたブランドを一瞬にして手にしてしまうということです。
就職活動の際には、もしかしたら会社によってはあなた自身の評価よりも、スクールのブランド力が決定打になるかもしません。
特にコンサルタントや弁護士など、経歴が重要になるような仕事にとっては、そのビジネススクールのランキングやブランド力は非常に役に立ちます。誤解を恐れずに言えば、結局、人は「ブランド」で評価していると言う部分がやはりある程度存在するんです。
もちろん、ランキングが高い有名校に合格して、無事に卒業までできるのであれば、もちろんあなた自身の能力も非常に高いと言うことです。そしてMBAランキングが高いスクールにはそのように能力の高い人たちがいっぱい集まってきます。
そんな彼ら彼女らと一生モノのネットワークを築くことができるのもMBAランキングが高いスクールに入学する大きなメリットです。
MBAランキングが高くない無名校へ行くメリットは?
一方で、自分が目指している、もしくは進学するビジネススクールはMBAランキングも高くなく無名校である、と心配している人たちもいます。確かにMBAランキングで低かったり、誰も知らないような無名のビジネスにスクールでは、有名校ほどのブランド力を活かすことはできません。
そんな無名校へ進学するメリットは?
まずは例えば、こんなものがあるかもしれません。
・有名校に比べて学費が安い
・学費は安いが実は学ぶ内容はトップスクールと大きく変わらない
・学生のバックグランドも様々でバラエティー豊か
そして、最後にとても重要で忘れてはいけないメリットがあります。
上述の通り、自分のスクールが有名でないと思うのであれば、有名校ほどのブランド力を活かすことはできないかもしれません。
しかしながら、裏を返せば、それは「完全に自分の実力で勝負しなければいけない」とも言えます。誤解がないように言うと、もちろん有名校の学生であっても結局は自分の実力で勝負しなければいけないのですが、無名校の学生にとっては、その気持ちはより一層強いはずです。スクールの看板には頼れないのですから。
それが結果的に良い方向へ進むチャンスでもあります。
この世の中、何も持っていない人にとっては、何も持っていないことが最大の強みになりえます。
お金を持っていない人は、如何にお金を使わずにやりくりするかを一所懸命考えます。
人脈がなければ、如何に人に頼らずやっていくかを一生懸命考えます。
ブランド力がなければ、どうしたら人の目を惹けるのを一生懸命考えます。
これはお金や人脈、ブランド力がないという経験をしたことがある人だけが、真剣に考えることができることです。私自身もそうですから。
そのため、私は「何も持っていない人にとっては、何も持っていないことが最大の強み」である自信を持ってここに断言します。
このように、他人と比べて、自分には恵まれたものがない、と感じているのであれば、「なにくそ根性」で人一倍努力して、成果を上げることに誰よりも真剣に取り組めるはずです。いわゆる「雑草魂」です。
もし自分が目指しているビジネススクール、通っているビジネススクールのMBAランキングが高くない、と思ったら、それは自分自身を鼓舞して頑張る最大のチャンスです。そして、実際に努力して頑張り続けることができれば、有名校の卒業生よりもビジネスで成功できるはずです。
まとめ
今回の記事ではあえてMBAランキングの話からビジネススクールを有名校、無名校で分けてお話をしましたが、正直なところ、そんなことはどうでもいいのです。
私もYouTubeやブログ、メルマガなど様々なところで、「MBAランキングばかりに過剰にこだわらないでください。」「自分にフィットしているスクールを選ぶことが大切です。」と申しておりますし、ビジネススクールが有名だろうか無名だろうが、あなたが選んだスクールであれば、きっとそこは一番あなたにフィットしているスクールです。
そのスクールで頑張ることがあなたにとって一番重要なことです。有名校であればしっかりとそのブランド力を活用しましょう。そうでないスクールであれば、これから自分が母校のブランドを作り上げていくんだ、という気持ちで頑張ればいいのです。
MBA出願インタビュー対策。面接当日でもできるプチ対策4つ
MBA受験で合否に関わる最も重要なイベントの一つがMBA出願インタビュー(出願面接)です。
ビジネススクールのアドミニは、出願インタビューを通じてMBA受験生の雰囲気、情熱、考え方、表情、話し方、英語力、その他もろもろ書類では確認できない多くの情報を入手しようとします。
それゆえに、MBA受験において出願インタビューは、受験生の印象を180度覆すだけのインパクトがあるといっても過言ではありません。
MBAの出願インタビューが行われる時間は、ビジネススクールによって20分~50程度でありますが、MBA Loungeの出願対策コースの受講生さんは、この出願インタビュー対策を数か月かけて行うケースも多々あります。
とはいうものの、この記事を読んでいる方々の中には、出願インタビュー対策で数か月の時間を取るどころか、「いやいや、インタビューは今週だよ」などと言う人もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、日本人MBA受験生向けに、「MBA出願インタビュー対策。面接当日でもできるプチ対策4つ」をご紹介します。
1.要所でインタビューアーへ名前で話しかける
MBA出願インタビューでは、最初に双方による自己紹介があります。最初にインタビュアーの方々も役職と名前ぐらいは伝えてくれるはずです。
その名前をサラッと聞き流しては絶対にいけません。忘れないようにしっかりと相手の名前をメモしておいて、インタビュー中に、要所要所で名前を交えて話をするのがとても重要です。
例えば、
Thank you very much, Ms. Staggs
That’s a good question, Professor Gambleなど。
会話の至る所で相手の名前を挟み込むと、あなたの印象は大きくプラスに働きます。
日本の文化的には、会話で相手の名前を要所で挟み込むようなことはあまりないので仕方がないところもありますが、これを意識できていない日本人MBA受験生さんがとても多いです。
逆の立場になって少し想像してみてください。
最初にサラッと伝えた名前を聞き漏らさず相手が覚えていてくれて、話をするときに要所要所で、Let me see, Takeshi. とか、It was nice taking to you, Mayumi.などと話しかけてくれたら、一気に相手に親しみを感じますよね。
相手の名前を呼ぶ。
単純ですがとても効果のある対策の一つです。
2.聞くときの態度に気をつける
MBA出願インタビューで注意するべき点は、あなたがインタビューアーの話を聞いているときの態度です。
日本人MBA受験者の多くは、自分が話しているときの表情やジェスチャーなどの方に意識しがちです。もちろん、そこも重要ですが、あなたの雰囲気、表情、そして人柄を見るのにビジネススクールの担当者が注目しているのは「あなたが話を聞いているときの態度」です。
相手の話を聞きながら、「うんうん」と頷いたり、相手のちょっとした話にリアクションを取ったり、その人の印象を大きく印象づけるのが、相手の話を聞いているときの態度です。
特にビジネススクール側からしてみれば、「自分の話をどれだけ理解しているのか。」「どれだけ興味を持ちながら聞いてくれているのか。」と言うところに大変な関心を持ちます。
例えばですが、自分が一生懸命話をしているときに、相手があくびをしたり、ずっと下を向いていたり、水を飲んでいるのを想像してみてください。
そのような相手に対して好印象を持つことは決してはありません。当たり前ですよね。
しかしながら、自分の回答が終わってホッとすると、無意識のうちにこのような少し失礼な態度をとってしまう日本人MBA受験生の人も多いのも事実です。
相手が話している時こそ、自分が見られているんだ、ということを意識してMBAの出願インタビューに臨むようにしましょう。
3.服装はスーツ
「出願インタビューの服装はどうするべきですか?」
MBA Lounge の受講生さんからよく頂く質問です。
Tシャツや、タンクトップなどは、少しカジュアルすぎると思いますので避けた方が良いでしょう。一般的には、襟のあるワイシャツ位で大きな問題はありません。スーツを着たり、ネクタイをキッチリと締めたり必要は無いでしょう、というのが正直なところです。
スーツ・ネクタイの服装で少しフォーマルすぎると思うビジネススクールもあると思います。「そんなにフォーマルな服を着なくてもいいのに。」と相手に思われるかもしれませんが、それだけフォーマルな服装をすれば、それだけ出願インタビューを大事に思ってくれているという表れにもなります。
フォーマルすぎる服装にしてマイナスの印象になる事はありませんし、自分とのインタビューをこれほど大切に思ってくれることに嫌な気になる人はいません。
迷ったらスーツ。
これで問題ありません。
4.ビデオ内の背景にも気を付けよう。
MBA出願インタビューは、対面の場合もありますが、多くはZoomやSkypeによるオンラインインタビューになります。
その際、多くの場合は自宅から出願インタビューを行うことになると思います。そこで重要になってくるのが、ビデオ内の背景をどのように設定するのかです。
多くの人は、Zoomなどの機能を使って背景をどのかの国の風景画像や、綺麗な部屋のインテリア画像にしてしまうのですが、私個人的には、それはどうかなと思う時があります。
出願インタビューでは、ビジネススクールにあなたがどんな人物か知ってもらうための絶好の、そして最後の機会になります。
普段自分が生活している部屋の背景をそのまま開示することで、あなたがどんな人物か、視覚で相手に伝えることが可能です。
この機会を利用して、例えば、
音楽が趣味なら背景にギターを置いておく、
過去に表彰歴があるなら、後ろの壁に複数の賞状やトロフィーを飾っておく、
など、間接的に自分の魅力を伝える大きなチャンスです。
これを別画像で背景を隠してしまうのは、とてももったいないことだと思います。もちろん人によっては、背景を人に見られたくない事情があると思いますので、それはそれで問題はありません。
もし背景を使って視覚で自分をアピールすることができるようであれば、わざわざ背景を隠すようなことはせずに、この機会を利用して何かアピールことができないか考えてみることが重要です。
まとめ
MBA出願インタビューは、MBA受験の合否を決める大変重要なイベントです。ここで、本当の自分をしっかりとアピールできなければ、数ヶ月かけてきたMBA受験が無駄になってしまいます。そんなことが無いように、普段からMBA出願インタビュー対策を行っておきたいところですが、当日でも相手の印象を大きく変えるプチ対策が4つあります。
1.要所で相手の名前を呼ぶ
2.聞く姿勢に気をつける
3.服装はスーツ
4.背景を工夫する
もちろん、インタビューで話す内容が最重要であることは間違いありません。
でも、このようなちょっとした工夫をすることで、合格の可能性を少しでも上げることができるはずです。
MBA後のゴールはどの程度明確にするべきですか?(出願対策)
MBA出願対策プランの受講生さんとインタビュー対策、エッセイ対策、Kira対策などを行う中で欠かすことができないのが、「MBA後のゴールの明確化」です。
受講生さんにカウンセリングを行っている中で
「ゴールが曖昧です。」
「もっと聞き手がイメージしやすいようにゴール設定しましょう。」
などとアドバイスをさせて頂くことがあります。
すると、受講生さんからは、
「どの程度まで明確にすればいいのでしょうか?」という質問を頂くことになります。
結論をいうと、それは
・ビジネススクールの特徴
・受験生の経歴
によります、という回答になります。
今回は、MBA後のゴールはどの程度明確にするべきについて、ビジネススクールの特徴と受験生の経歴の2つの観点からお話します。
ビジネススクールの特徴
MBA履修期間が1年以下など比較的短いMBAプログラムに出願する際は、MBA後のゴールを明確にしておく必要性が高いです。
ご想像の通り、1年と言う期間は非常に短く入学と同時に卒業後のプラン実行に向けて動き出す必要があります。香港の香港科技大学(HKUST)などは、入学と同時に転職用CV作成などをAIを使って行ったりしているようです。イギリスのImperial College of Londonなどは出願の段階で、どの企業に就職をしたいのかを記入する欄があったりします。
1年以下のMBAプログラムの学生の多くは、かなり明確なMBA後のプランを持っていますし、持っていなければ動くことはできません。
一方で、アメリカやオーストラリアなど2年ほどの履修期間があるプログラムの場合は、必ずしも出願時点で明確なゴールを求められるわけではありません。
2年のプログラムであれば、入学後に必須科目を履修したり、クラスメートや学校スタッフとのコミュニケーションを通じて自分の進む方向性を決めていく時間的余裕があるからです。アメリカのDuke Fuqua School of BusinessのDaytime MBAは22カ月のプログラムで、100以上の選択科目を用意しています。その中で学生に新しい科目や分野に挑戦する機会を積極的に与えています。
このようなスクールでは、入学時点ではSpecializationなどに対して柔軟な選択の機会を与えており、履修をしていく中で進路を決定していきましょう、というスタンスであったりします。
受験生の経歴
MBA後のゴールはどの程度明確にするべきか、受験生の経歴によるところもあります。
特に受験生の年齢です。
20代の受験生であれば、今までの経歴を基本とし大まかなキャリアの方向性を持ちつつ、MBAを通じて様々なネットワークを形成し様々な体験をしていく中で、進む道を選択して行けばいいです。そのため、必ずしもMBA出願時点でゴールが明確である必要はありません。
一方で、受験生が30代後半で10年以上のキャリア経験を持っている場合には、ビジネススクール側もこの受験生に対してはある程度明確なゴールを持っていることを期待します。
10年以上のキャリアを積んでいれば、自分自身の強み・弱みも確実に理解して、自分によってどのようなキャリアが最適なのか分かっているでしょう?とビジネススクール側はきっと思っています。
あえて大学名は伏せますが、以前MBA Loungeと共同で行ったイベントの中で、あるビジネススクールの方が、30代後半でMBAゴールが明確でない受験生に対してかなりのマイナス評価を付けていたのを覚えています。
30代後半にもなって、まだ自分のキャリアゴールが明確でないのであれば、ビジネススクール後もきっと同じことを言っていると思われてしまう可能性も高いです。
まとめ
MBA出願対策をしていく中で、MBA後のゴール明確化は必須となります。人によっては、明確なゴールを持っている人もいれば、そうでない人もいます。
出願時点で必ずしも明確なゴールを持っている必要はありませんが、履修期間が短いMBAプログラムの場合や10年近いキャリアを持っている受験生の場合は、ビジネススクール側としては、明確なゴールを持っていることを期待していることを忘れないようにしておきましょう。
ライバルの一歩上行くMBAエッセイ・インタビュー対策のコツ
ビジネススクールのウェブサイトなどで色々と情報収集としていると、「Innovative」という語彙を多く目にするかと思います。
ビジネススクールは、そこでMBAを学ぶ学生にInnovativeを求めているんです。
では、Innovativeな学生とは具体的にどんな学生なのか、皆さん本当に分かっていますか?
それが分からないと、エッセイ対策もインタビュー対策も空回りとなってしまいます。
経済学者のヨーゼフ・シュンペーターはInnovationを「創造的破壊」と定義しています。
つまり、新しいモノを作って古いモノを破壊する、又は、古いモノを破壊して新しいモノを作る。
要するに、「破壊」しなければいけないのです。
皆さんは日頃の業務で何かを「破壊」していますか?
従来のやり方を「破壊」しました、
従来のルールを「破壊」しました、
従来の考え方を「破壊」しました、
そしてその更地に新しいモノを建てました。
これを実践して、上手くビジネスクールに伝えることができたら、あなたのエッセイやインタビューは一歩上のステージに上がるはずです。
「いやいや、川尻さん。会社は私みたいな若手にそんな仕事任せてくれません。」
そうおっしゃる人もいるかもしれません。
確かにそうかもしれませんね。でも、チャンスはいつ来るか分かりません。
今チャンスがない人は、とりあえず会社の「壊せるモノ」を見つけておきましょう。そして、それを壊すタイミングを虎視眈々と狙っておくんです。場合によっては上司や然るべき部署に提案するのでもいいです。
人それぞれ事情はあるかと思いますが、どうか「そんな仕事与えてもらえない」や「そんなチャンスはない」で終わらせないでくださいね。
Innovativeというワードは、色々なところに溢れており軽々しく使われています。
他の受験生との違いを出すには、このようなワードの本質を理解して、エッセイやインタビュー対策に応用しなければいけません。
MBA合格後に読んでおきたい書籍厳選3冊(リーダーシップ編)
MBA合格が決まった当社の受講生さんから、「入学までに読んでおくべきお勧めの本を教えてください。」と言う相談を受けることがあります。
通常、MBA合格から入学までは、数ヶ月の時間的余裕があります。この期間を有効活用して、ビジネススクール入学後に役立つ書籍の一冊や二冊でも読んでおきたいところです。
そこで今回は、「MBA合格後に読んでおきたい書籍厳選3冊(リーダーシップ編)」をお届けします。
NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX
(NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX リード・ヘイスティングス、エレン・メイヤー著 土方奈美訳 日本経済新聞出版 2020年)
一冊目は、NETFLIX(ネットフィリックス)の共同創業者・会長兼CEOであるリード・ヘイスティングスさんと、INSEAD教授のエレン・メイヤーさんの共同著書です。
この書籍は、NETFLIX特有な「自由と責任の企業文化」について書かれた書籍であり、この書籍自体がリーダーシップを論ずる上で参考書となる本ではないかと個人的には思います。
本書籍で説明されているNETFLIXの企業文化は一つのビジネスフレームワークとして成立しています。事前にこの本を読んでおけば、そのフレームワークを他の企業でも応用できるので、MBA講義やグループワークでも貢献するための材料となるでしょう。
この本では、NETFLIXのマネージャーが「自由と責任の企業文化」を維持するために適用しなければならないリーダーシップに関しても議論されています。
例えば、NETFLIXのフレームワークには三つのリーダーシップアプローチがあります。
1.能力の密度を高める
とにかく優秀な人材を集めてくることが大切です。人を見る目も非常に重要になります。
2.率直さを高める
上司、同僚、部下を問わず自由に建設的なフィードバックをする機会が与えられています。反対意見を言わないのは会社への裏切り、貢献してないと判断されます。
3.コントロールを減らす
出張規定や休暇規定などをなど不要な社内規定を全て廃止しています。
これだけでは、きっと何のことだか分からないかもしれません。
しかしながら、この本を読めば、このアプローチはとても画期的で、今すぐ自分の会社でも通用するのか試してみたくなるかもしれません。もちろん、MBAプログラムでもこのアプローチを使ってリーダーシップに関して議論する材料としても大変有効です。
ティム・クック アップルをさらなる高みへと押し上げた天才
(ティム・クック アップルをさらなる高みへと押し上げた天才 リーアンダー・ケイニー著 堤沙織訳 SBクリエイティブ 2019年)
二冊目は、アップルの現CEO、ティム・クックについて書かれた書籍です。
アップル社の創業者と言えば、言わずと知れたスティーブ・ジョブズですが、このティム・クックはスティーブ・ジョブズから直接、後継者として選ばれた男です。
ティム・クックは、そんなスティーブ・ジョブズの期待に応えジョブズの死後さらにアップル社を成長させ、その手腕は天才と称されています。
しかしながら、スティーブ・ジョブズとティム・クックは、性格も、経営スタイルも、考え方も正反対なんです。
例えば、ジョブズは気性が荒く、大声を上げて怒鳴ることも頻繁にありましたが、ティム・クックは非常に物静かで、叫ぶことも怒鳴ることもありません。
ジョブズはチーム同士、個々の役員同士で競い合わせました。一方クックは、チームで強調し円満を良しとしました。対立やいざこざが大嫌いです。
ジョブズは慈善事業を一切行いませんでした。一方クックは、慈善プログラムを数多く立ち上げています。
ティム・クックは本書で、「自分がなれるのは自分自身だけだ、と言うことを理解しています。」(p39)と述べています。アップルの経営に関して、クックは、スティーブ・ジョブズの真似をしようとはしませんでした。
同じ会社を性格も考え方も180度違う経営者が舵取りをして、なぜ共に大成功させることができたのでしょうか。そのヒントがこの書籍には書かれています。
ディズニーCEOが実践する10の原則
(ディズニーCEOが実践する10の原則 ロバート・アイガー著 関美和訳 早川書房 2020年)
三冊目は、ウォルト・ディズニーカンパニー会長・前CEO(執筆当時)のロバート・アイガー氏が彼自身のキャリアを書いた書籍です。
1974年、ロバート・アイガーは米国ABC テレビで下っ端から働き始め、出世を繰り返し2005年にディズニーCEOへと登り詰めた生きる伝説と呼ばれている人物です。
ディズニーCEOに登り詰める過程で、様々なタイプの同僚、上司、パートナーと仕事を共にしてきた雑草魂溢れるロバート・アイガーだからこそ持ち得るリーダーシップのスタイルがあります。
CEOとしての有名な実績は、ピクサー、マーベル、ルーカスフィルム、21世紀フォックスと総額9兆円にも及ぶ買収です。これを実現させたその裏には、彼自身が大切にするリーダーの原則と言うものがあります。この本では、それが事細かに本人の言葉です説明されています。
まとめ
以上がMBA開始前に読んでおきたい厳選3冊(リーダーシップ編)です。
NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX リード・ヘイスティングス、エレン・メイヤー著 土方奈美約 日本経済新聞出版 2020年
ティム・クック アップルをさらなる高みへと押し上げた天才 リーアンダー・ケイニー著 堤沙織訳 SBクリエイティブ 2019年
ディズニーCEOが実践する10の原則 ロバート・アイガー著 関美和訳 早川書房 2020年
NETFLIX、アップル、ディズニーと、いずれも世界を代表する超有名企業です。このような有名企業を調査、分析をしておくと、MBA講義でクラスに貢献しやすくなります。なぜなら、教授を含めクラス全員が知っている企業なので伝えやすいからです。
これからMBA留学をするよ、という人は是非この三冊を手に取ってみることをおススメします。
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