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中国MBA相談会、香港MBA相談会に来られる方の多くは、中国ないし香港のビジネスに興味を持っていらっしゃる方が多いです。

その中でも名前に挙がる企業は、中国を代表する通信会社バイドゥ（Baidu）、アリババ（Alibaba）、テンセント（Tencent）、ファーウェイ（Huawei）の4社、いわゆるBATHです。

2019年10月プレジデント社発行の書籍『テンセント　知られざる中国デジタル革命トップランナーの全貌』（著：呉 暁波、訳：箭子喜美江）を読んで感じたMBAとの共通点をお話したいと思います。

テンセント（騰訊）の書籍を見て感じたMBAとの大事な共通点

テンセント社がここまで大きくなった理由には、
・ユーザー体験を重視
・変化適応力
・技術力
・交渉力
など、色々とありますが、これはテンセントだけではなく他の企業でもよく聞く話ですね。

MBAとの大事な共通点ということでいうと、「テンセントは海外のビジネスモデルを上手く他社を模倣してきた」という点にフォーカスしたいと思います。

なぜそれがMBAと共通する大事な点なのかは後ほど説明しますね。

テンセントはパクリ王

実は、テンセント社の様々なプロダクトは、他社のプロダクトのパクリであるという批判が大変多いんです。

例えば、アリババのジャック・マーは、テンセントの通販サイト「拍拍網」は、アリババの淘宝網 (taobao)のパクリだと主張したり、バイドゥのCEOからは、検索エンジンサイトの捜捜（ソウソウ）は百度（バイドゥ）のパクリだと言われたりしています。

このような批判に対し、ポニー・マーは、以下のように述べています。

「ビジネスモデルというのは、もともと数種類のしかないのだから、最初から作れと厳しく求めても無理だ。誰がうまくやっているのかを見極めることが鍵である。」
（『テンセント　知られざる中国デジタル革命トップランナーの全貌』（著：呉 暁波、訳：箭子喜美江　プレジデント社）P404）

パクリはMBAに通じる

誤解を恐れずに言うならば、パクリはMBAに通じます。
MBAで学ぶビジネス理論は、過去に世界中の天才学者が作り上げた理論をパクっています。
ケーススタディは、世界中の企業や経営者の成功事例、失敗事例をパクっています。

折角世界中に様々な例があるのだから、それを活用しない手はありません。ポニー・マーが言う通り、最初からすべてを作り上げようとする必要はないのです。

MBAではビジネスの様々な分野を形式的に学び、それを実践的に活用する術を学びますが、多くの場合、ビジネス理論やケーススタディに基づいて考えることを推奨されます。

そこに、自分自身の経験や直感などを加えて、自分たちの組織の方針を決定し実行していきます。

守破離（しゅ・は・り）

とは言え、いつまでも人のパクリをしていてもダメです。武道や茶道で用いられる守破離（しゅ・は・り）という言葉があります。

守破離とは、簡単に言うとこんな感じです。

守（しゅ）：先生の教えを守り、基本を固める。
破（は）：基本を習得したら、それを自己流に変えていく。
離（り）：先生から離れ、独立して更に発展させていく。

ポニー・マーもこう言っています。
「最も賢い方法は間違いなく最善のケースを学んでからそれを追い越すことだ。」
（『テンセント　知られざる中国デジタル革命トップランナーの全貌』（著：呉 暁波、訳：箭子喜美江　プレジデント社）P334）

多くの日本人MBA志望者は、守破離の「守」しか頭の中にないかもしれません。
MBAホルダーにふさわしいスキルは、「守」だけではなく、「破」と「離」を経験することで身に付くことを忘れないようにしましょう。

※テンセント社とは
テンセント1998年に馬化騰（ポニー・マー）によって設立され、20年余りで売上高1,000億人民元を超え、メディア、ゲーム、電子マネー、ソーシャル、インスタント・メッセンジャー、M&Aなどを手掛ける今や中国だけではなく世界を代表する通信会社の一つです。

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