ウォートン校卒トランプさんはやっぱりMBA的実業家である理由3つ
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ドナルド・トランプさんは、第45代アメリカ合衆国大統領として連日メディアを賑わしていますね。
ご存知の通り、トランプさんは実業家出身の大統領でアメリカでも指折りの大富豪です。
MBAでも有名なアイビーリーグのペンシルベニア大学ウォートン校で不動産学を学び、実業家としては、不動産会社のトランプ・オーガナイゼーション会長でもあり、その他、カジノ・ホテル業、メディア業などのビジネスを運用してきました。
家柄も良く、父親のフレッド・トランプさんはニューヨーク郊外で不動産業を営んでいる有名人でした。でも、その事業を爆発的に大きくしたのは息子のトランプさんであり、決して親の七光りの事業家ではありません。
彼自身はMBAホルダーではありませんが、これまでの行動を見てみると、非常にMBA的実業家であることが分かります。
そこで今回は、アメリカ大統領であるトランプさんは、やっぱりMBA的実業家である3つの理由をご紹介します。
ターゲットを徹底的に絞る
MBAでも学ぶマーケティングでは、STPモデル(Segmentation, Targeting, Positioning)の理論を学びますが、トランプさんはこの理論を最大限に活用してきたと言えます。
その最たる例が2016年の大統領選でしょう。
選挙戦で勝利を収めた大きな原因のひとつは、内陸部の有権者をターゲットとしたことと言えます。
勃興し、現代化し、グローバル化を実現している東海岸と西海岸ではなく、雇用が減り、薬物が横行した現代を過去の古き良き時代へ戻してもらうことを期待している内陸部。
トランプさんは「Make America Great Again」をスローガンに内陸部の人々へ訴えかけて彼らの心を掴んだのです。(ちなみに彼は「Make America Great Again」と2015年にトレードマーク登録(登録番号4773272)しています。)
もしも、アメリカ国民全員に好かれるような八方美人戦略で大統領選に臨んでいたらヒラリー・クリントンさんに敗れていたかもしれません。
トランプさんも、「『スタンド・バイ・ミー』や『グリーンマイル』などの代表作を持つ著名な作家、スティーブン・キングは、ターゲットを読者ではなく、実際に作品を採用するかどうかを決定する編集者をターゲットに小説を書いている」と例を挙げ、ターゲット設定の重要性を力説しています。(※1)
また、彼はビジネスでもその手腕をこのターゲット設定によって発揮しています。
彼の父親フレッドさんは、ニューヨーク郊外で中流層、下流層を中心に不動産を賃貸に出すビジネスを営んでいました。しかし、中流階級以下の住民のマナーが悪く管理が大変で、さらにトランプさん自身が少年時代からマンハッタンへの憧れがあったこともあり、ビジネスをすべて富裕層向けにシフトさせ、大きな富と名声を築いてきたんです。
品質重視のマインド
トランプさんは「ビジネスはアートだ」と言います。(※2)
ピカソやベートーベンなどの芸術家たちを例にあげ、納得するまでベストを尽くし決して妥協しない姿勢を自身のビジネスにも当てはめているんです。
トランプタワーのロビーには、稀有で綺麗な大理石を採用されていますが、これは彼がコストは二の次として、美観に徹底的にこだわったためです。
1900年代前半、各企業は商品品質を重視してきました。この時代の経営のコアは、製品であり自分たちが優れていると思ったものを大量生産してきました。
しかし、各企業の技術発展により品質で差別することが段々と困難になってきましたため、各社の顧客サービス重視の時代、そして、企業の社会的責任重要の時代、さらに現在は、顧客の自己実現重視の時代であると言われています。
しかし、トランプさんをはじめ、アップル創業者のスティーブ・ジョブズやペイパルマフィアのボスと言われるピーター・ティール、グーグル創業者のセルゲイ・ブリン、ラリー・ページなどの世界的な実業家は「品質重視」のスタンスをもっています。
現在は、「顧客の自己実現重視の時代」には間違いないでしょうが、消費者の要求が年々固くなる今日、「品質向上」は常に考えるべきテーマであり、それを制したものが市場を牛耳っていることが分かります。
セルフ・ブランディングが上手い
トランプさんはセルフ・ブランディングが上手い、というのは何となく分かるという人も多いのではないでしょうか。
彼が朝一番にやることは、新聞の自分の記事をチェックすることから始まります。
そんなトランプさんは
・有名になる方法
・金儲けの方法
・視聴率を上げる方法
の全てを知っていると言われ、まさにセルフ・ブランディングの達人と言えます。
トランプさんは、マスコミ、TV、新聞記事を最大限に利用してセルフ・ブランディングをしていますが、彼の上手いところは、これらをすべて無料で利用し尽くすというところです。
ワシントン・ポスト社の取材班が書いた著書「トランプ」(ワシントン・ポスト取材班、マイケル・クラニッシュ、マーク・フィッシャー著、文藝春秋、2016年)によれば、トランプさんはメディアを「自分の神話」を作る道具として利用している、とのこと。
トランプさん曰く
「ニューヨーク・タイムズの一面を使って宣伝すれば、4万ドルはかかる。(中略)ニューヨーク・タイムズが俺の取引について、多少なりとも好意的な記事を、ほんの一段でも書いてくれたら。1セントも払わずに、4万ドル分よりはるかに大きな宣伝効果が得られるのだ。」(※3)
また、記事になるようなネタをトランプさん自身が、自身の会社の副社長「ジョン・バロン」という存在しない人物を偽って記者に情報提供をしたというエピソードもあります。その執念はすごいですよね。
さらに、たとえ自分自身や自分の家族の悪い話や事実でない記事あっても、目立つためなら積極的に利用して、基本的には大歓迎しているようです。
ただ唯一のタブーがあります。それは「俺の言っているよりも、俺の財産が少ないと言うな。」だそうです。(※4)
一流実業家は、やはりこのくらい豪快な方がいいのかもしれません。
まとめ
トランプさんの大統領としての仕事ぶりをしていると、本当に政治家というよりも実業家のようです。市場(世界経済)を研究し、競合他社(各国首脳)と交渉を行い、自社(アメリカ)にとって有利な条件を引き出していく。
ただ、このやり方が政治で通じるのかどうか、問題なく任期を全うすることができるのかは分かりませんが、少なくともこのくらい強烈なリーダーシップがなければ、組織を変えていくことはできないでしょう。
【出所】
※1:「トランプ思考」著:ドナルド・トランプ、訳:月谷真紀、PHP研究所、24ページ、2016年
※2:「トランプ思考」著:ドナルド・トランプ、訳:月谷真紀、PHP研究所、72ページ、2016年
※3:「トランプ」 著:ワシントン・ポスト取材班、マイケル・クラニッシュ、マーク・フィッシャー 訳:野中香方子他 2016年 140-141ページ
※4:「トランプ」 著:ワシントン・ポスト取材班、マイケル・クラニッシュ、マーク・フィッシャー 訳:野中香方子他 2016年 374ページ
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