HOME > MBAって何?ビジネススクールって何?MBAの基礎の基礎。
MBAとは、Master of Business Administrationの略で、日本語では経営学修士と呼ばれます。日本の中小企業診断士や公認会計士のように国家試験に合格して与えられる資格とは違い、世界各国のビジネス系大学院(ビジネススクール)にて一定の単位を取得することで授与されるビジネス学位です。
19世紀末のアメリカで、国の産業化を受けて各企業で経営を科学的に捉える考え方が生まれるようになり、新しい経営手法のアプローチが注目されるようになりました。1990年にアメリカのダートマス大学で最初のビジネススクールが誕生し、最初のMBAコースは、1908年のハーバード・ビジネススクールが15人の講師、80人の学生でスタートしたのがその起源です。
目次
MBAはどこで学ぶの?
MBAはビジネススクールで学びます。ビジネススクールとは、世界の各大学に設置された経営学および関連した科目を学ぶ学校で、卒業すると経営学の学士や修士(つまりMBA)を取得することができます。
代表的なビジネススクールは、海外では、ハーバード・ビジネススクール(アメリカ)、ペンシルベニア大学ウォートンスクール(アメリカ)、ダートマス大学タックビジネススクール(アメリカ)、ロンドン・ビジネススクール(イギリス)、HEC経営大学院(フランス)、IMD(スイス)、IESEビジネススクール(スペイン)など、日本国内ですと慶應義塾大学大学院経営管理研究科、名古屋商科大学大学院、テンプル大学日本校のフォクスビジネススクールなどがあります。
ビジネススクールを評価、認定する機関として、AACSB, AMBA, EQUISの3機関が有名です。これらの3大国際認証を受けたビジネススクールで学ぶのが一般的です。これらの国際認証機関では、ビジネススクールのミッション、オペレーション、教育施設、プログラム内容、グローバル度等を評価し、認証を行っています。
(図)3大MBA国際認証
MBAって何を学ぶところ?
MBAは、ビジネス系のすべての科目をまんべんなく学ぶところです。
主として、以下のような科目を学んでいくことになり、これらはすべて企業を経営するのに必要な能力です。
マーケティング
アカウンティング
経営戦略
起業学
ファイナンス
経済学
イノベーション
ビジネス法
人事戦略
企業組織論
統計学
国際ビジネス学
クリエイティブ・シンキング
ビジネスプラン
リーダーシップ など
MBAは、これらの科目を1年ないし2年という短期間で身に付ける、いわばビジネスの強化合宿のような場所です。それぞれに論文、試験、プレゼンテーションなどの課題が課され、学生はそれらのパフォーマンスに対して成績が付けられ、各ビジネススクールが制定したカリキュラムを終わると晴れてMBA取得となります。
有力なビジネススクールでは、企業の幹部や起業家などを招いて、直接意見交換をするなどの授業も盛んに行われています。実際に、起業した時に大変だったこと、企業を経営する上で、一番大変だと感じること、など普段は話すことのない屈託の無い意見を聞くことができます。
留学費用はどのくらいかかるの?
MBA留学にかかる費用としては、学費、健康保険、現地生活費、そして私費留学の場合は、MBA履修中に入ってこない分の機会損失まで考慮する必要があります。
取得までの学費:
・世界ランクトップスクールの学費 : 800万~
・中堅スクールの学費 : 400万円~800万円
・その他のスクールの学費 : 200万円~400万円
※US$1=100円で計算
※学費はあくまでも目安です。
Financial Time誌などで発表されるMBAランキングで上位にくるトップスクールの学費は2年間1,000万円を超えるところもあります。中堅クラスのスクールの場合で500万円~800万円くらいの学費になります。また、国によっても学費が分かってきます。トップスクールはどの国でも概ね同じ位ですが、中堅クラスのスクールになると、アメリカよりは北欧やオーストラリア、アジアのスクールの方が安くなる傾向にあります。たとえば、オーストラリアのトップスクール、の場合でも学費は500万円程度です。
現地生活費
大都市か地方か、住まいは学生寮かアパートを借りるのか、食事、車の有無によって変わってきます。アメリカで学生寮に住んで、ごく普通の食事、車なしの場合でたいだい以下の費用になると考えらえます。
大都市の場合 : 毎月15万円~25万円
地方都市の場合 : 毎月10万円~15万円
健康保険
アメリカの場合、健康保険で年間10万円~20万円です。特にMBAでハードな生活を送ると体調も壊しがちになりますので、保険には必ず加入しておきましょう。
合計
アメリカのビジネススクールで2年間勉強した場合の全体費用はたいだい以下の通りです。
※費用はあくまでも目安です。
MBAはどんな人が学ぶのか?
ビジネススクールへの入学には、2年以上などのある一定期間の実務経験を条件にしているところがほとんどです。ビジネススクールでは、企業を経営するのに必要な能力を1年ないし2年という短期間で身に付ける必要がありますので、入学の時点で、ビジネスの基礎の基礎、そしてある程度の専門分野を身に付けていることが求められます。そのため、年齢としては若くても25歳くらい、上は60代以上など様々です。
MBAはビジネス現場力を身に付ける場
MBAはこれらの各科目を学問として学ぶのではなく、実際の現場で通用する力を鍛えることを目標としています。そのため、MBAの試験では暗記してクリアできるような試験は基本的にありません。
売上げを伸ばすためのマーケティング戦略や問題が良い人材を確保するための人事戦略などをどう行っていくかなど、実際のビジネスで想定されるケースを通じて、学生はどこまでのパフォーマンスができるのかを試されることになります。
MBAの種類
MBAは、大きくわけてMBAとEMBAがあります。
MBA
実務経験が2~5年以上を条件としているところが一般的です。授業は平日の昼間、夜間に行われます。
期間は、通常アメリカではフルタイムで2年間、ヨーロッパやオセアニアではフルタイムで1年から1.5年となります。働きながら学ぶ場合は、パートタイム学生として入学し、3年や4年間かけて卒業することも可能です。日本人学生が留学して学ぶ場合は、ビザの規制の関係でフルタイム学生として入学することになります。
EMBA(Executive MBA)
実務経験が10年以上うちマネージャー経験が5年以上など、管理職向けのMBAプログラムです。企業の管理職に就きながら学んでいる人が多いため、平日夜間や週末に授業が行われるのが一般的です。実践実務型を重んじているので、MBA理論についてはある程度知っている前提で授業や議論が進むケースが多いのが特徴です。
MBAの学び方
企業派遣でMBAを学ぶ
企業がMBAの知識を有する社員を育成する目的で、会社が学費を支払って社員にビジネススクールに通わせMBAを取得させる場合があります。これが海外のMBAの場合「社費留学」と言います。 但しすべての企業がこのようなプログラムを行っているわけではなく、大企業であったりMBAを非常に高く評価している中小企業に限られるでしょう。さらに会社に指名されるには、社内の考課試験や競争を勝ち残った位一部の社員に限られます。
自費でMBAを学ぶ
おそらく自らの懐を痛めて自費でMBAを学ぶ人が大多数でしょう。日本国内のビジネススクールの場合は、夜間や週末に授業を提供していますので、会社を辞めることなくMBAを取得することができます。絵画のMBAの場合は、会社を辞めて「私費留学」することになります。
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