GMATスコアアップだけはダメ。スクール経営側と審査側とのジレンマ
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MBA出願に必要なモノとして、エッセイ、上司からの推薦状、GPA(大学時代の成績)、実務経験、TOEFL/IELTSなどの英語能力測定試験スコア、などありますが多くのMBA出願者にとっていちばん苦労しているのはGMATでは無いでしょうか。
GMATのスコアによってどの辺のランキングのビジネススクールを目指すかが決まってくる場合もあります。特にMBA世界ランキングトップレベルのスクールではGMATスコアは700点以上取らなければ入学するのは難しいです。どうしてもトップスクールに入りたいという気持ちでも中々スコアがとれず、フラトレーションが溜まっている受験生も多くいるでしょう。
GMATのスコアは、ビジネススクールの審査官が受験生の能力を測る基準として役に立っているのは事実です。特にGMATの最低基準スコアを設けることで、それ自体がスクールの品質を示す指標にもなりえます。しかしながら、実はこのGMATスコアは、学生だけではなく、ビジネススクールも頭を悩ましている部分でもあるのです。
スクール経営側と入学審査官側間のジレンマ
フランスの名門ビジネススクールINSEADの元入学審査官の話によると、スクール経営側としては、ビジネススクールの品質を示す証として、入学する学生のGMATスコアを重視したい一方で、入学審査官側としては、多岐の分野のプロフェッショナルを将来の学生として少しでも引き付けるために、GMATのスコアを重視しすぎるのではなく、多少なりとも入学基準を緩めて柔軟に対応したいという想いがあるようです。高いGMATスコアを持っていなくても、実務経験や、ある分野での専門的な知識を持っている受験生は、スクールにとって大変魅力的なのです。
ビジネススクールの魅力の一つとしては、あらゆる国のあらゆる業界での知識や経験を持った学生たちが一同に集い、経営理論について討論し合うことになります。学生は、今まで自分が触れ合う機会もなかった業界や国籍の人々に出会い、討論し合うことでグローバルな視点のビジネススキルを身につけていくことができるようになります。
ビジネススクールによっては、そのような多岐にわたる分野の学生を引き付けるために、あまりGMATスコアばかりにとらわれるのではなく、受験生一人ひとりの特性を重視して入学を許可しているスクールもあります。
例えば、CFA(Charted Financial Analyst)のすべてのレベルをパスした学生や、理系の大学院を出た学生、実務経験が明らかに他の受験生より優れている学生などに、GMAT免除を許可するビジネススクールもあります。
GMATが必須なのは、主にアメリカのビジネススクールで、ヨーロッパやオーストラリア、ニュージーランド等ではGMATが不要であったり学歴や職歴などによってGMATが免除になるスクールも多くあります。これらの国のビジネススクールでもやはり、GMATを重視したいスクール経営側の意向と、多岐にわたる多岐の分野にわたる学生魅力のある学生を呼び込みたいと言う入学審査官の中でのジレンマはあるようです。
これらの国のいくつかのビジネススクールでは、GMATを必須にしたり、オプションにしたりと毎年その入学基準を替えているところからもその苦労は見え隠れします。ビジネススクールもどのようにして魅力のある学生をいかに引きつけ、且つ、スクールのレベルを下げない方法を模索しているように見えます。
GMAT免除だからと言っても、、、
入学基準にGMATを免除しているビジネススクールでは、どのような対策有効なのでしょうか。GMATが免除になったからといって、悠長にしている事はできません。
免除になったぶん、その他の項目において、抜け目のない内容に仕上げていく必要があるからです。大学時代のアカデミックな成績を示すGPA、社会人としての実績を示す実務経験や推薦状はもちろんのこと、エッセイやスクールが行うインタビューにおいても、優秀である学生である事を示していく必要があります。これら一つ一つの準備にも、GMATにかける労力と同様に慎重に行っていく必要があります。
これらを攻略する非常に大切な要素は、ビジネススクールを選定する段階で、自分の今までのキャリアと将来どのようなキャリアを築いていきたいかを明確にして、その情熱を相手にうまく伝えるコミニュケーション能力が必要です。
GMATが必要にしても免除になったとしても、MBAを取得する為にビジネススクールに入学することは簡単ではありません。そしてビジネススクールに入学したら、それ以上なハードな課題に毎日追われることになるでしょう。しかし、MBAはその苦労をも全部清算するぐらい価値のある学位のはずです。MBA取得のためにビジネススクール出願を目指す皆さんは、出願期間や履修期間が如何にハードであっても、MBA取得の夢をあきらめずに、MBAホルダーとし世界で活躍している姿を想像し頑張っていきましょう。
まとめ
GMATは、ビジネススクールの教育の質を示す指標にもなり得るため、ビジネススクール側はそのGMATのスコア設定について慎重な対応をとっている。
ビジネススクールの経営側にとってはGMATは重視していきたい項目であるが、入学審査官側にとってはあらゆる業界のプロフェッショナルを引き付けるためGMAT以外の要素もさらに重視し柔軟に対応したいという双方のジレンマがある。
GMATが免除となる場合、エッセイやインタビューを始めとしたその他の項目でさらに入念な準備が必要になってくる。
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