HOME > 30代後半以降のキャリア形成: EMBAのメリット3つ

(写真:スペインバルセロナのESADEの教室にて)
MBA Loungeが定期的に開催しているキャリア相談会では、30代後半から40代の方々からEMBA(Executive MBA)に関するご相談がとても多いです。
特に、30代後半から40代になると、会社からも現場を牽引するリーダーから、組織全体を俯瞰するマネジメント層への役割を期待されるようになります。
そこで、その年齢層の多くの人が「これまで築き上げたキャリアや今のスキルセットだけで、この先の10年、20年を戦えるのか」という問いに直面し、それがEMBAに関する相談に繋がっているという訳です。
実際に、MBA Lounge受講生さんでINSEAD EMBAに通う豊田和真さん(仮名)は、「周囲には当たり前のようにMBAを持っている人が多く、彼らと一緒に仕事や議論をする中で、グローバルなビジネスの場では経営に関する共通言語が不可欠だと実感するようになった。このままでは将来、国や文化の異なる相手と対等にビジネスをリードしていくのは難しいと感じた」とおっしゃっています。
今回はそんな30代後半から40代の方々のキャリア形成として、EMBAプログラムの特徴をまとめました。
目次
EMBA、ミッドキャリアMBA、MBAの違い
まずは、EMBAとミッドキャリアMBA、通常のMBAの違いをザックリ解説します。
■EMBA(Executive MBA)
クラスメートは、実務経験が15年以上の30代後半~40代が主流です。形式は、パートタイムです。期間は12カ月から20カ月くらいで、授業は2カ月から4カ月に一回現地にて受講するケースが多いです。MBA Lounge受講生さんに人気のスクールは、INSEAD、NUS、UCLA-NUS、IE、Chicago booth、NTU、SMU、Sasinなどです。
■ミッドキャリアMBA
クラスメートは、実務経験が10年以上15年以下の30代半ばから30代後半が主流です。
形式は、フルタイムで期間は1年が多いです。MBA Lounge受講生さんに人気のスクールは、MIT Fellows, Stanford MSx, NTU Fellows, USC IBEARなどがあります。
■Full time MBA
クラスメートは、実務経験が3年以上10年以下の20代後半から30代半ばが主流です。
形式は、フルタイムで期間は1年から2年です。MBA Lounge受講生さんに人気のスクールは、シンガポール、香港、台湾、欧州、そして北米と多岐にわたります
EMBAの対面授業
EMBAは、30代後半から40代のビジネスパーソンがボリュームゾーンであるため、キャリアを継続したまま履修することが前提になっています。
そのため、日本在住のビジネスパーソンに人気にあるEMBAプログラムは、平日夜間や毎週末キャンパスに通うスタイルではなく2,3カ月に一度の頻度で現地で対面授業を行うスタイルです。
例えば、IE EMBAでは、授業は毎週土曜日にオンラインで行いますが、履修中には3回スペインのマドリードにて対面授業をする機会があります。INSEADやChicago booth EMBAでも、3、4カ月に一度対面で1週間ほど缶詰の授業があります。UCLA-NUSやNUS EMBAに至っては、シンガポールやアメリカのみならず、インドやバンコク、ドバイ、など毎回違う都市に集まって授業を行うという非常に興味深いスタイルです。
実際に、MBA Lounge受講生さんでChicago booth在学中の山田春樹さん(仮名)は、対面セッションの週について、以下のようにおっしゃっています。
「午前9時から12時で授業があり、その後ランチをしながらネットワークキングしたり、たまにゲストスピーチがあったりします。そして、午後は14時から17時間までは午前とは別の科目の授業を受け、その後夕食です。その後、キャンパスで予習や宿題、グループワークをやって、ホテルに戻るのは24時頃だったりします。そして次の日は朝7時くらいに起きて、8時にはキャンパスで朝ご飯を食べて、また9時から授業という流れです。これを月曜日から土曜日まで1週間繰り返す感じですね。」
3,4日くらいしてくるとみんな疲弊して机にレッドブルが散乱するような感じになります。それでも、半日オフがあるときは、みんなで旅行に行ったり企業訪問を企画したりしています。
基本的には週の最初に前回の科目のテストがあります。その後に先ほど述べた一週間が始まり、最後にお疲れパーティーをやって終了です。」
前置きが長くなりましたが、本記事の本題であるEMBAのメリット3つを見ていきましょう。
EMBAのメリット:ネットワーク
EMBAでは、企業の課長や部長クラスの方々を中心に多く集まります。中には経営幹部層や起業家の方々もいます。EMBAでは、そんな彼ら彼女らとオンラインおよびオフラインで切磋琢磨しながら勉学に励むことになります。
重要な視点としてあげたいのは、彼ら彼女らは利害関係のない戦友であるという点です。EMBAともなれば、経営幹部や社長の方々もいらっしゃるでしょう。自分より10歳以上年上の方々もきっといらっしゃるでしょう。社内では往々にして「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」で方針が決まるケースもありますが、利害関係もなく、年齢も職位も関係ないEMBAの環境では「誰が言ったか」のみが判断の基準です。忖度の無い本当の議論を思う存分味わえるのもEMBAの特徴です。
あわせて、社内では言えない悩み(部下育成、上層部との対立)を共有し、高め合えるコミュニティとして交流できる環境であることも忘れてはいけません。利害関係がないからこそ、腹を割って話せるトピックですね。
実際に、MBA Lounge受講生さんでバンコクのSasin EMBAを卒業された岩沢さん(仮名)は教授とのネットワークもできたとおっしゃっています。
「教授陣と関係性を築く機会も楽しみました。私の場合、年齢が近い教授が多かった為、ビジネスの話だけではなく、タイや日本文化の違いで議論したり、悩み相談に乗って頂いたり、色々交流できる機会がありました。」
EMBAのメリット:「意思決定」を重視
一般的に、EMBAでは「戦略的リーダーシップ」や「ガバナンス」など、経営者視点のテーマを深掘りします。授業で展開される議論の質は「理論」ではなく、泥臭い「意思決定」に重きが置かれるのが特徴です。
以前、NUS EMBAのシドニーセッションを見学させてもらいました。その際に同プログラムを受講中だったMBA Lounge受講生の斎藤順二さん(仮名)によれば、NUS EMBAでは各都市のセッションでは、毎回現地の企業を訪問したり、現地企業のCEOレベルの方から話を聞く機会があるそうです。そこで直に彼らの意思決定プロセスなどを学ぶ機会になっていると言います。
また、MBA Lounge受講生さんでIE EMBAを卒業された坂東太郎さん(仮名)は、実際にアカウンティングを通じて意思決定の訓練をすることができたと述べています。
「MBAで身に着けた知識として生きているのは主にはアカウンティングです。拠点長としてP/LやB/Sを見て会社全体の状態を把握する機会が増えました。ここでもieで習得した知識がとても役立っています。」
その他、同じくMBA Lounge受講生の山田さんは、独特なChicago boothアプローチがあると言います。
「最初の時期に学ぶミクロ経済学、マクロ経済学、統計学、ファイナンシャルアカウンティングがThe Chicago boothっぽいよね、とみんな結構言っています。要は数式をめちゃくちゃ使うんです。世の中の事象を論理や数値で理解し表そうとして、授業でも教授がひたすら数式を書きまくるんです。それがシカゴアプローチであり、論理、データ、ファクトに基づいて意思決定をするスキルを鍛えます。」
EMBAのメリット:家族と仕事を両立できる
上述の通り、EMBAはキャリアを継続したまま履修することが前提になっています。そのため、EMBAでの学びを即実践を活かせるのはもちろんのこと、同時に家族との時間をうまくコントールして学位取得できることも大きなメリットです。これは、住宅ローンや家族の生活を支えるミッドキャリアにとって、最大のリスクヘッジになります。
MBA Lounge受講生さんでのEMBA受験中の岡崎さん(仮名)は、家族の理解を「投資」に変えることを意識しているとのことです。キャンパスを家族で訪れ、子供に学ぶ姿を見せることで、教育機会として共有することで、子供の教育にもいい機会であると捉えていらっしゃいます。
まとめ
自分が40代、50代になった時、自分はどうありたいか、30代後半から40代でのEMBA挑戦は、キャリアの中間決算を行い、後半戦の飛躍に向けた強固な土台を築く作業と言えるでしょう。そんなEMBAのメリットは以下3つです。
1.ネットワーク:利害関係のない上級層のネットワークが一気に広がる。
2.「意思決定」を重視:経営層に必須のスキルを構築できる。
3.家族と仕事を両立できる:リスクは最小限で挑戦できる。























