国内か海外か?近年の傾向からどちらのMBAに価値を見出すか。
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MBA取得を目指す社会人や学生の間では、「国内MBAか?海外MBAか?」はよく話題となる議論です。私自身は、将来的に国際的に活躍するビジネスマンになることが一番大きな目標だったので、迷うことなく海外MBAを選択しました。海外MBAには、欧米の経営手法を学べるだけでなく、海外で大きな人脈ネットワークを形成できるというメリットがあります。しかし、海外MBAは社費留学でない限り、会社を辞めて収入が無い状態で1年から2年間の留学生活になることを覚悟しなければいけません。一方で、国内MBAの場合は会社を辞めずにMBAを取得できるというメリットがあります。
国内MBAか?海外MBAか?あなたはどちらを選択しますか?あなたにとって価値があるのはどちらですか?
国内MBAと海外MBA。近年の傾向
従来より、「MBA出願者の数と経済動向は反比例する。」と言われてきました。経済が好調な場合は、多くの若いビジネスマン達は、刺激的でスピード感溢れるビジネスの世界にどっぷりと浸かり、自分のキャリアアップのために現在在籍中の会社で日々奮闘します。逆に経済が不況の場合、彼らは数年後の経済復活に備え、ビジネススキルを高めるためにMBAプログラムに自己投資する傾向にありました。これは、国内MBAであっても海外MBAであっても同じです。
しかしながら、この傾向は近年変わりつつあるように思います。GMAT試験などを提供しているGraducate Management Admission Council(GMAC)の調査によると、実際に約62%のフルタイム2年制のMBAプログラムでは、経済不況時にMBA出願者が減少したとの報告があるようです。近年では、どうやら不況時に仕事を辞めてまた学生になる、という選択肢は、それほど魅力的に映らないようです。近年の新しい傾向としては、会社で仕事を続けながら学位を取得することができるオンラインMBAやパートタイムMBAに人気が出ているようです。
国内MBA
日本国内で取得できる通学型のMBAプログラムとしては、名古屋商科大学ビジネススクール、テンプル大学フォックスビジネススクールなどが、仕事を辞めずに取得できるMBAとして、ここ数年で大きく成長してきました。
オンラインMBAとしては、豪州ボンド大学のBond-BBT MBAプログラムや英国国立ウェールズ大学経営大学院などが有名です。
特に日本国内は、まだまだ新卒崇拝主義の社会ですので、キャリアアップのために仕事を辞めることは、欧米各国に比べリスクは大きいといえます。そのため、会社を辞めずして学位を取得できるこれらのような国内MBAプログラムが成長してきたのは当然とも言えるかもしれません。
海外MBA
海外MBAプログラムの傾向を見ると、多くのビジネススクールではよりグローバルなプログラムを提供するようになってきています。MBAプログラムといえば、会社経営者を短期間で養成する経営学の強化合宿のようなものです。業界を問わず、マーケティングやファイナンス、アカウンティング、経営戦略、リーダーシップなどの能力やスキルを養成するためのプログラムであることに間違いはありません。しかし、近年はそれに加えグローバルな思考、グローバルなネットワークに重点を置いたカリキュラムを組む海外MBAが増えてきているのです。
スイスのIMDビジネススクールでは、MBA学生を中国やアメリカのシリコンバレーそしてインドなどで勉強させる機会を与え、学生は、現地企業や現地に拠点を置くグローバルな企業について研究することができます。そのような経験を通して、学生にグローバルな視点を持たせるような教育を行っています。
アメリカのミシガン大学ロススクールでは、Multi-disciplinary action projectsと称して、学生のグローバル視点を持った問題解決能力を開発するために、中国やパプアニューギニアなどの企業に訪問させるプログラムがあります。
また、私が在籍したオーストラリアのクイーンズランド工科大学のQUTビジネススクールでは、主にアジアビジネスに視点を向けて、中国の企業を訪問するプロジェクト等があります。
世界の視点から転職市場を見ても、やはりグローバルビジネスの需要が非常に高まっていることが分かります。今の時代、特に海外MBAでは、グローバル視点をもった人材が求められているのです。
グローバル視点を持つことの大切さ
グローバル視点を持つことは、実際に多くの国のビジネス文化を理解できる、共通で言語が使用できる、そして、世界中のビジネスマンとのネットワークを形成できるということが最大のメリットと言えるでしょう。
私自身、オーストラリアでMBAを習得した後に台湾へ渡り、台湾企業でプロジェクトマネージャーに就き、また日本企業でアメリカ市場のプロジェクトにとして働いた経験を持っています。
オーストラリアに滞在していたときから、多くの台湾人等の交流を持ち、彼らと会話を交わすことによって、台湾文化を理解し、台湾人の考え方を学ぶことができました。そして、MBA取得後台湾に渡り、実際にグローバルな視点から台湾企業で仕事をすることによって、それまでわからなかった台湾の商文化や台湾人の特性などがよりいっそう理解できるようになったのです。またその後は、アメリカ市場を対象としたプロジェクトに携わる機会も持ち、アメリカの商文化やアメリカ人の特性なども学ぶことができました。
このように、複数の国での留学経験や勤務経験を持つことで、商文化の違いや人の考え方の違い等をよく理解できるようになり、なぜ相手がそのように行動するのか、なぜ相手がそのように発言するのかを、ある程度は理解できるようになります。これはビジネス交渉の場では大変重要なことです。
交渉相手の言動を理解することで、相手の求めているコト、相手が譲れないと思っているコトが想定できるようになり、結果的に自分達に有利な方向へ持っていくコミュニケーションを取ることが可能になります。特に企業の上層部になれば人とのつながりが非常に大切になってきますので、このようなスキルは欠かせないものとなってくるはずです。
これからますます、複数の国での留学経験者やビジネス経験者を仕事をすることが増えてくることでしょう。その中であなたも同じように複数の国での留学やビジネスの経験を持っていることでコミニュケーションもスムーズに取ることができるようになるはずです。
会社を辞めずに学位を取得できる国内MBAやオンラインMBAで経営の基礎知識を学ぶことができるのは、大変魅力的な選択肢です。一方で、海外MBAで、グローバルな視点やネットワークを形成することも、今後のキャリアアップには大変魅力的です。国内MBAか海外MBAか?自分は将来、どのようなキャリアを目指すのかをしっかりと考えて、自分に一番あった選択をできるようにしましょう。
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