アメリカMBAのススメ:ビジネスの国で2年間じっくり学びたい人へ
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アメリカはMBAの発祥の地であり、Financial Times誌などが発表する世界MBAランキングでも多くのアメリカのスクールが上位にランクされています。そのため、ランキングや知名度を見て「MBAといえば、アメリカ。」という人がいまだに多く、数多くの出願者がアメリカをMBA留学先として選択します。
目次
アメリカMBAの特徴
●通常期間は2年
ヨーロッパ諸国、オーストラリアなどのビジネススクールは1年から1.5年の期間ですが、アメリカのビジネススクールは2年間であることが特徴です。1年目は基礎科目を中心に学び、2年目は専門科目を選んで学ぶことができます。
●必須ビジネススクールの選び方
アメリカは、欧州、豪州、日本、その他のアジアの国々に比べビジネススクールは非常にたくさんあります。その中から自分に合ったビジネススクールを選ぶ事は容易ではありません。ワシントン大学Olin Business schoolのDirector of MBA AdmissionsのEvan Bouffides氏から、アメリカMBAを目指す出願者のアドバイスとして以下のコメントをもらっています。
「まず、自分のMBAにおいて、自分自身が絶対に譲れない項目を2つあげましょう。そして、その中から自分の要求を満たすビジネススクールを絞っていきましょう。」
自分自身が譲れない項目というのは人それぞれです。
MBAランキング、
ファイナンスに強いスクール、
マーケティングに強いスクール、
産業界とのつながりの強いスクール、
アジアビジネスに強い大学、
学費が安い大学、
田舎にある大学、
GMATスコアの要求が低いスクール
などです。
私自身は、豪州(オーストラリア) MBAを取りましたが、今言われてみると、確かに自分自身のゆずれない項目2つを基準にしてスクールの選定をしていたと改めて感じます。優先順位の高い項目を2つに絞ってスクールを選定すれば、確かに自分の金キャリアゴールからぶれる高確率は低くなるでしょう。
●主要な転職先は、コンサル、金融、マーケティング
アメリカのMBAを取得した多くの学生は、次のキャリアとしてコンサル、金融、マーケティングの業界を選択します。給料が高いと言うのも理由の一つですが、 MBAで学んだノウハウやスキルを存分に生かせる界であり、「やりがい」を感じるというのがもう一つの理由でしょう。
●出願スケジュールは計画的に
アメリカのMBAを出願するときは、その出願スケジュールを計画的に立てる必要があります。アメリカのMBAの多くは、一年に一回の入学時期があり、それを年の3回にわたって募集します。すこ来年アメリカのビジネススクールに入学したいと思うのであれば、その6入学募集時期に合わせて綿密が計画を立てて、GMATを取得したり、エッセーやインタビュー対策をしていく必要があります。
それとは対照的に、欧州や豪州、アジアなどのビジネススクールでは、一年に何回かの入学機会を設けているところが多くあり、アメリカのMBAほど出願スケジュールに神経質になる必要はありません。
●アメリカ市場、企業を対象としたケーススタディが主
欧州、豪州、アジアなどのビジネススクールでは、国境を飛び越えて国際的に活躍するビジネスマンを育成することに力を注いでいるのが特徴的ですが、一方でアメリカのMBAでは、学生はMBA取得後、アメリカにとどまり、アメリカ市場でビジネスを行っていくことを前提にした講義が多いと言えるでしょう。
特に今後のキャリアを、アメリカ中心で考えるのであればアメリカのMBAを取得することは自分のキャリア形成の大きな糧となるはずです。
取材レポート:ワシントン大学オーリンビジネススクール(ミズーリ州)
ワシントン大学のDirector of MBA admissionsのEvan Bouffides氏がMBA Loungeの取材に応じてくれました。
ワシントン大学はミズーリ州セントルイスに位置し、全米大学ランキングでは常にトップ10にランクインする難関校です。MBAを提供するオーリンビジネススクールは、起業家のジョン・M・オーリンの名を基に1988年に設立されました。
(画像)Director of MBA admissionsのEvan Bouffides氏
オーリンビジネススクールの特徴は、以下の3点です。
●クリティカル・シンキング力を重視
経営者として組織を正しい方向に導くために正しい経営判断をするために必須なクリティカル・シンキングやクリエイティブ・シンキングを徹底的に訓練します。MBA理論をいくら知っていても経営者として正しい判断ができなかったら、意味がありません。
オーリンビジネススクールは、正しい経営判断をするためにシステマティックなフレームワークを学ぶことができます。
問題解決に繋がる質問をする。
問題の本質を理解する。
仮説を立てる。
複雑でやっかいな情報を正しく読み取る。
論理的な結論を出す。
効果的な解決策を導き出す。
オーリンビジネススクールで学ぶ学生は、上記のようなフレームワークを使いこなすことができるようになります。
●自分のキャリア目標にあわせたカリキュラムを組める。
オーリンビジネススクールのカリキュラムは、学生それぞれのキャリアにあった選択ができるシステムになっています。必須科目は全体の3分の1で、選択科目が3分の2を占めます。選択科目は実は100科目以上に渡り、Entrepreneurship、Strategy Consulting、Financial Managementなど、自分のキャリア目標にあったConcentrations(MBAの専攻)を選ぶことができます。
●強力な卒業生ネットワーク
在校生の進路については、スクールスタッフと卒業生が一団となってサポートするシステムが整っています。就職のための模擬インタビューや転職に関する相談を卒業生に相談することができ、卒業生はまた自分がインタビューを受けた当時の情報を提供してくれます。もし卒業生と同じ会社に就職したいのであれば、これは大変有益な情報ですね。
(画像)Evan Bouffides氏と撮影
取材レポート:メリーランド大学ロバートスミススクール(メリーランド州)
メリーランド大学のDirector of MBA admissionsのMaria Pineda氏がMBA Loungeの取材に応じてくれました。
(画像)Director of MBA admissionsのMaria Pineda氏
メリーランド大学Robert H. Smith School of Businessは、ワシントンD.C.の郊外に位置する名門校です。メリーランド大学はその立地を活かして各分野の研究では政府機関とパートナーシップを結んでいます。Robert H. Smith School of Businessでは、学生の約10%が米軍関係者です。
●5つのConcentrations(MBAの専攻)を選択
Robert H. Smith School of Businessでは、学生のキャリア目標に合わせて以下の5つのConcentrationsがあります。
Consulting
Entrepreneurship
Investing
Global Experience
Social Value Creation
●留学制度
Robert H. Smith School of Businessでは、南米、欧州、アジア、オセアニアへの合計16か国への留学制度があります。10日間から3か月まで自分のキャリアに合わせて、留学期間、留学先を選択することができます。
●2016年Student Profile
クラスサイズ:90人
平均年齢:29歳
平均実務経験年数:5.5年
男女比:男性68%:女性32%
留学生比:36%
(画像)Maria Pineda氏と撮影
取材レポート:Hult International Business School
Hult International Business SchoolのDirector of Marketing and RecruitingのJoanna Muraishi氏がMBA Loungeの取材に応じてくれました。
(画像)Director of Marketing and RecruitingのJoanna Muraishi氏
Hult International Business Schoolは、1964年にArthur D. Little School of Management(ADL)として設立されたのが始まりです。2003年にヨーロッパの起業家Bertil Hultから教育機関として更なる発展のための投資を受け、Hult International Business Schoolとしてイノベーティブでグローバルなビジネススクールとして生まれ変わりました。アメリカのMBAは、通常2年制が一般的ですが、Hultでは1年間でMBAが取得できるのも魅力のひとつです。
取材をしていく中で感じたことは、Hultはグローバルである、ということに尽きるということです。まず、Hultはボストン、サンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドン、ドバイ、上海に6か所にキャンパスを持つ無国籍ビジネススクールと言えます。この内、ニューヨークを除く5つのキャンパスがメインキャンパスとして位置づけされています。
●卒業までに3都市に滞在する。
Hultの学生は、入学と同時にまず自分のホームキャンパスをボストン、サンフランシスコ、ロンドン、ドバイ、上海の5都市の中から選び、MBAをスタートさせます。ホームキャンパスで8か月勉強したあとに、各6週間、上記5都市+ニューヨークの何れかの都市2か所を選択し、ローテーションします。学生は卒業までに3都市に滞在することとなり、グローバルなクラスメートとともに文字通り世界を舞台に学習します。
●教授陣も各都市へローテーションする。
各都市へローテーションするのは学生だけではありません。Hultの教授陣も学生と同じように各都市へローテーションします。
●自分のキャリア目標にあった都市で学ぶ。
ボストン、サンフランシスコ、ロンドン、ドバイ、上海、そしてニューヨークでは、それぞれ都市の特徴があります。たとえば、金融を学びたいのであれば、ウォールストリートに近いニューヨークで学ぶのが良いかもしれません。製造業のケーススタディをするには、上海が適しているでしょう。また、起業家とのネットワークを構築するには、サンフランシスコがベストかもしれません。世界最速の発展を目の当たりにするなら、ドバイで学ぶのが良いでしょう。
●卒業生の58%が新天地で就職
Hultの卒業生の実に58%が、MBA取得後に学生自身が今まで滞在したことのない新しい国で就職しています。これもHultでのグローバルな経験を企業から評価されたことを意味します。新しい国でキャリアアップしたいと考える人にとっては、Hultのプログラムは大変魅力的です。
【Student Profile】
平均年齢:31歳
平均実務経験年数:6年
国籍:140か国
北米(18%)、南米(25%)、欧州(23%)、中東・アフリカ(11%)、
アジア・オセアニア(23%)
使用言語:105言語
(画像)Joanna Muraishi氏と撮影
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