MBAでも教えている?悪徳業者が儲けている4つの理由

2017/07/11

悪徳業者や詐欺による被害は毎年ニュースになり、中々減ることはありませんよね。
例えば、オレオレ詐欺。「騙されてはいけません」とあらゆるところで注意喚起をしているのに関わらず、その被害は後を絶ちません。

「これだけ騙されるな、と言われているのに騙されるなんて被害者も意識が低すぎる。」という一言で済ませてしまってはいけません。

なぜ人は悪徳業者に騙され続けるのでしょうか?

それは彼らがしているマーティング手法が巧妙だからです。そう、MBAのマーケティングさながらのマーティング手法だからです。

もちろん、ビジネススクールでは人を騙すためのマーケティングなど教えるはずもありません。しかしながら、悪徳業者のその手法を一つひとつ見てみると、そのベースはMBAのマーケティングで勉強するような内容だったりします。

今回はMBAでマーティングを学ぶ前に知っておいてもらいたい悪徳業者によるマーケティング手法のお話です。

MBAでも教えている?悪徳業者が儲けている4つの理由

1.商品が高単価である。

たとえば、オレオレ詐欺が相手に対して1回に要求する金額はいくら位でしょうか?
ニュースで聞く限りでは1回あたり300万円とか500万円とかかなりの高額ですよね。1,000円を振り込め、なんていうニュースは聞いたことがありません。「今日振り込めば、30%引きしておく。」なんてことも言っていないでしょう。

こういった行為は通常とても高額で行われています。つまり利益率がとても高いということです。詐欺の中には、薄利多売のものがあるのかもしれませんが、あまりニュースでも聞かないです。オレオレ詐欺だけでなくて、悪徳業者も大抵は普通の業者が請求しないような高額な料金を請求します。ライバルの低価格競争には乗りません。

世の中の多くの優良企業は、自社商品やサービスが成熟期になると価格競争に巻き込まれがちで、マーケッターは頭を悩ませています。顧客が納得してくれる高価格で販売し利益率を上げるには商品に付加価値をつけるしかありません。商品自体を改良したり保証を付けたり、他社と何らかの差別化を図ったりすることで高い価格であっても顧客は納得して商品を購入してくれるんです。

悪徳業者も、そしてマーケティングが強い優良企業も高価格で販売できているところが多いです。ライバルの価格競争に巻き込まれない戦略を立てて実行しているんです。

MBAでもマーケティングを学ぶときは「マーケティングに強い業者は高価格商品を販売できている。」ということを覚えておきましょう。

2.ターゲットが明確である。

オレオレ詐欺たちがターゲットにしているのはどんな層でしょうか?

すぐにわかりますね。

それはお年寄りの層です。

毎年多くのお年寄りが自分の老後のため、そして家族のためにコツコツと貯めてきたお金を騙し取られているという報道を見ると本当に胸が痛いです。
でも残念ながら、どうしてもお年寄りの層がオレオレ詐欺たちのターゲットになりやすいんです。

詐欺たちはお金を騙し取るターゲットにフォーカスして、そのターゲットに対して様々な罠を仕掛けているんです。

MBAのマーケティングの講義でも、ターゲットを明確にしてそれらの層が購入しくれる仕組みを作るべき、という話も出てきます。要するに、商品・サービスの価値の分かってくれる人に正しい価値のある商品をアピールすることが、マーケティングの視点からみたら重要だということです。

現在は、インターネットがなかった時代に比べ、買い手の情報収集能力ははるかに高く、またライバル企業の情報も買い手の情報を積極的に入手しています。

「ウチの商品の価値が分かってくれる人がいつか来てくれる。」と待ちの姿勢では会社が潰れてしまいます。ターゲットを絞って、その層に向けてアピールしていくことが大切なんです。

3.まずは信用を得て安心させる。

忘れもしません。私がワーキングホリデーでオーストラリアに居た頃、一緒に住んでいたマレーシア人のシェアメイトが詐欺で逮捕されました。数人の知り合いからお金を騙し取っていたんです。

彼は周囲の人間からよくお金を借りていました。その金額は10オーストラリアドル(約900円)など少額なものです。それを貸すと申し訳なさそうな顔で「ありがとう。1週間以内に絶対に返すから。」と言って1週間後に本当に返してくれます。これを繰り返し「彼はよくお金を借りにくるけれどしっかりと期日までにお金を返してくれるんだ。」と相手に安心をさせるんです。それで徐々に金額が大きくなってきて、最終的に大金を騙し取るというものです。

実は私もその被害者になりかけたんです。最初に1回だけ10ドルほど貸してしまい、そのお金はすぐに返ってきました。その後、何回か「お金を貸してくれ。」と言われましたが、それ以降はすべて断っていました。すると「コイツはターゲットにならない。」と判断されたらしくお金を貸してくれ、と言われることはなくなりました。
それから数カ月後、彼が詐欺で逮捕されたというテレビのニュースを見てびっくりしたのを覚えています。

これに倣って、というわけではないですが、確かに初めての相手に商品やサービスを購入してもらうには、まずは相手からの信用を得ることが不可欠です。

優良企業のマーケッターは、無料サンプルを配ったりして商品を体験してもらうことで、顧客からの信用を得ることになります。自動車などの高価格商品はいきなり顧客に購入してもらうことは難しいので、自動車の各メーカーはまずは試乗体験キャンペーンなどをやっていますよね。そうやって価格に見合う価値があることを証明して顧客からの信用を得ているんです。

購入までに費用や時間がかかってでもまずは信用を得る、ということは特に高価格の商品を販売する場合は不可欠です。詐欺師でさえもこのステップを踏んでいるんですから。

4.苦痛から逃れる手段を提供している。

ペンシルベニア大学ウォートン校MBA卒で経営コンサルタントの神田昌典さんによると、人が購入を決定するのは、①快楽を求めるとき、②苦痛から逃れたいとき、の2パターンがあります。そして、とくに「②苦痛から逃れたいとき」の方が購買意欲は強くとおっしゃっています。

オレオレ詐欺のケースでは、「息子や孫が困っている」という苦痛から逃れる手段としてお金を振り込んでしまうわけです。

学習塾のマーケティングに応用するなら、
「今のうちから塾に通っておかないと1年後には同級生に大きな差を付けられますよ。」
「このままじゃ高校受験に受かりませんよ。」
と言ってセールスをすることになるでしょう。

本当に生徒や生徒の両親が期待する質を提供できるなら、この学習塾もちろん悪徳ではなく、生徒の苦痛を取り除き希望するスクールに合格させた救世主となるわけです。

まとめ

悪徳業者による被害は毎年ニュースで耳にします。彼らは社会から排除されるべきであるにも関わらず、中々減らないですね。認めたくはないですが、なぜならそれは儲かるからです。そしてそのマーケティング手法は実によくできているからです。

これからMBAを学び優良企業で活用できる方々には知っておいてもらいたいマーケティング手法でもあります。

1.高単価である。
2.ターゲットが明確である。
3.まずは信用を得て安心させる。
4.苦痛から逃れる手段を提供している。

詐欺のように意味もなく、そして顧客が求める品質がないにも関わらずあたかもそれがあるかのようにサービスを高額で販売するには絶対にダメです。それは犯罪です。

価格に見合うような価値が提供でき、高単価でもお客様から購入してくれるような仕組みができている企業は成熟期であっても生き残っていくことができるんです。

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