リチャード・ブランソン名言からみるアントレプレナーシップ

2017/04/20

アントレプレナーシップ(起業家精神論)は、MBAプログラムの中でも重要視するビジネススクールは多いです。MBA取得後に起業をしなくても、アントレプレナーシップ(起業家精神論)の知識は社内ベンチャーや事業拡大の際にとても役に立つものです。

今回は、世界を代表するカリスマ的起業家、一代で年商195億ポンド(約2兆6千億円、2016年)の企業を作り上げたイギリスのヴァージングループ創設者、リチャード・ブランソン氏の名言からアントレプレナー(起業家)に必要な要素を学びましょう。


(画像出所:https://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Branson)

規則を変える


(エアアジアのトニー・フェルナンデス氏との賭けに負けて。http://edition.cnn.com/2013/05/13/travel/branson-flight-attendant/)

アントレプレナー(起業家)は、規則の範疇に甘んじるのではなく、規則そのものを変えようとします。自分の事業をうまく広げるために関係各所と交渉して規則そのものを変えてしまうのです。
ブランソンの場合、ハイスクール時代から規則を変えることを行ってきました。彼が通ったハイスクールは、自校のスポーツチーム応援の強制や給食中のおしゃべり禁止など軍隊のように厳しかったそうです。ブランソンはそんな中、校長に手紙を書いて校則を変えるように交渉を行ったのです。学生スポーツを見ている位ならバッキンガム宮殿の窓磨きをしていた方がよほど為になる、給食中は学生の交流場とした方が学生の知識も増える、など。このころから彼は交渉上手だったんです。

「物事は変えられるものだと信じていた。」
(出典:『ヴァージン 僕は世界を変えていく』 著:リチャード・ブランソン 訳:植山周一郎 TBSブリタニカ 1998年 52ページ)

自分自身がルール、というと傲慢すぎですが、自分にとって不利なことや理不尽だと思ったことに対して積極的に交渉するバイタリティはアントレプレナー(起業家)にとって重要な要素です。

リスクを負う

リチャード・ブランソンと聞いて私が最初に思いつくこと、それは「彼はとてつもないリスクテーカーである。」ということです。
ブランソンが設立したヴァージングループは、レコード事業、小売事業、航空事業などそれぞれ関連性が薄い事業を同時に運用しています。もちろん、彼が設立前にこれらの業界の経験があったわけではありません。(それゆえに会社名を「ヴァージン(処女)」としたのです。)

彼は冒険が趣味で気球やボートで大西洋、太平洋を何回も横断していますが、その過程で嵐に遭ったり、海に投げ出されたりと、何度も、文字通り、死にかけています。既にヴァージンが大きく何万人もの社員をかかえる経営者の立場であっても、愛する妻、子供を持つ父親の立場であっても、冒険の旅に出て何度も死にかけているんです。

「私は何でも一度はやってみようという危険で時に馬鹿な論理の持ち主」
(出典:『ヴァージン 僕は世界を変えていく』 著:リチャード・ブランソン 訳:植山周一郎 TBSブリタニカ 1998年 113ページ)

彼自身、自分をこう評価していますが、事業も順調で愛する家族にも恵まれている状況から、死と隣り合わせの旅にでるわけですから本当にそうですよね。

ブランソンは危険な気球やボートの旅を通じて「写真や映像では見ることがないない壮大で美しい景色」「自然に溶け込む充実感」「誰も達成したことのないことをやり遂げた達成感」を得ているのです。

ビジネスについても同じで、面白そうな事業にリスクを負って積極的に取り込むことで会社の利益だけではなく、達成感や充実感を得ているんです。

事業構想力を持つ

リチャード・ブランソンは、想像力を広げて事業を構想する能力に非常に長けています。ヴァージングループは、レコード事業、小売事業、航空事業など様々な分野に進出していますが、これはすべてリチャードの構造力があったからこそです。

「ビジネスの提案書を受け取ると、詳細の事実や数字を吟味する代わりに、読んでいるうちに自分の想像力が広がるのを感じた。」
(出典:『ヴァージン 僕は世界を変えていく』 著:リチャード・ブランソン 訳:植山周一郎 TBSブリタニカ 1998年 44ページ)

彼はこう言っているのですが、実は彼は子供の頃から難読症を患っているんです。小学校のときは読み書きができずよく先生に怒られたそうで、現在でも時々スペルが分からないことがあるそうです。

ブランソン曰く、
「難読症が彼の洞察力を高めてくれた。」

構想力なくして起業して事業を大きくしていくことはできませんよね。

利益を新しいビジネスに投資する

この考え方は、リチャード・ブランソンがカリスマ経営者になった大きな基盤であると思います。ヴァージンは倒産の危機を迎えたことは何度かあります。

「資金的な危機を脱するには縮小するのではなくて拡大の努力をすることが唯一の脱出方法だと私はいつも信じてきた。」
(出典:『ヴァージン 僕は世界を変えていく』 著:リチャード・ブランソン 訳:植山周一郎 TBSブリタニカ 1998年 186ページ)

ヴァージンレコード社では、稼ぎ頭のアーティスト、マイク・オールドフィールド一人に頼りっきりのビジネスになっており、業績アップに苦戦をしていた1976年、ブランソンは2つの選択に責められました。1つは「リスクを取らずある資金の中で細々とやっていくこと。」もう一つは「最後の資金を使って可能性のあるバンドを探すこと。」
もちろん、リチャードが選択したのは後者です。結果的にセックス・ピストルズなどのアーティストと契約することに契約し、その後、世界一有名なロックバンド、ローリング・ストーンズとの契約も果たしています。

自分でやらない

アントレプレナー(起業家)として大変重要なことは、「自分でやらない。」ということです。つまり、仕事を得意な人に任せる、ということです。

ヴァージンは様々な事業を展開していますが、リチャード・ブランソンの役割は事業を大まかに構想して経営自体はパートナーや信頼できる社員に任せていることです。

もし、ブランソンが細かく口出しをしたり、すべて最前線に立って経営したりしていたらうまく行っているかどうかは疑問です。

人をうまく動かし、組織として最高のパフォーマンスをあげる、つまり卓越したリーダーシップ能力を発揮しているんです。

「ヴァージンの社内でいつも実行していることの一つは、社員のみんなが自分自身を再発見するように仕向けることだ。」
(出典:『ヴァージン 僕は世界を変えていく』 著:リチャード・ブランソン 訳:植山周一郎 TBSブリタニカ 1998年 355ページ)

ヴァージンの社員に対しては、自身の強みや役割を見つけて個々のパフォーマンスを高めるように仕向けていることが分かります。

まとめ

MBAにおいてアントレプレナーシップ(企業家精神論)は今後ますます重要な科目となっていくでしょう。ビジネススクールでは、事業を作り上げる能力を養成することに力を注いでいるところも増えてきています。

それらの知識を身につけるには、そして、将来の会社経営者、事業運用者として、ヴァージングループのリチャード・ブランソンの考え方、行動は大変参考になるはずです。

●規則を変える。
●リスクを負う。
●事業構想力を持つ。
●利益を新しいビジネスに投資する。
●自分でやらない。

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