名将野村克也氏から学ぶMBA式リーダーシップ講義

2017/07/27

野球に興味がない人でもほとんどの人は元プロ野球選手・監督の「野村克也」と言う名前だけでも聞いたことがあるでしょう。

1954年にテスト生として南海に入団、その後戦後初の三冠王になるなど、とても輝かしい成績を残しています。また、監督としても当時弱小球団だったヤクルト、阪神、楽天などを、リーグ優勝や日本一に導くなど、監督として優れたリーダーシップ能力を日本のプロ野球ファンは目の当たりにしてきました。

誰もが野村克也氏のように優秀なプロ野球選手が優秀な監督になれるとは限りません。それでは、なぜ野村克也氏は、弱小球団を日本一の球団にするほどの指導ができたのでしょうか。それは紛れもなく彼にはずば抜けたリーダーシップ能力があったからです。

MBA取得を目指す人にとって、このリーダーシップ論を馬鹿にはできません。現在世界各国のビジネススクールの入学審査官は、出願者のリーダーシップ能力を重要視しているからです。

リーダーとしてのポテンシャルがなければ、ビジネススクールに合格することはできないといっても過言ではありません。世界各国のビジネススクールは将来リーダーとして活躍する人材を育てたいのです。そのため、 MBA留学前からこのリーダーシップ論についてある程度理解し日ごろの業務で実行しておくことで、MBA出願時にはビジネススクールにとって魅力的な出願者としてアピールすることが可能になります。

今回は、野村克也氏の著書「野村ノート」(野村克也著、小学館文庫)より彼の名言をいくつか抜粋し、そのリーダーシップ論についてお話をします。

名将野村克也氏から学ぶMBA式リーダーシップ講義

●「管理するものは、絶対に結果論で部下を叱ってはいけない。」
(出典:『野村ノート』 著:野村克也 小学館文庫 2009年 44ページ)

野村監督と言うと、いつもムスッとしていてなんか怖い上司だな、というイメージがあるかもしれません。しかし彼は、決して部下を結果論で叱ることはありませんでした。選手が自分で考え最適だと思った行動をとって失敗した場合、彼は部下に対してとても寛容でした。とった行動にしっかりとした根拠はあれば何も言わないのです。

野村克也氏によると、例えば「見逃し三振は絶対に許さない。」という監督もいるそうです。しかしそういう叱り方するから打者は見逃し三振をしたくないというマイナス思考に陥り、自ら進んで行動することができなくなると言うのです。

リーダーとして大切なことは、部下自らが考え行動し、結果を出させることではないでしょうか。故に、部下が自分で考え根拠を持って行動したのであれば、それを賞賛し、叱るべきではないでしょう。

「ビジネスは結果が全て」という考え方もありますが、その思考過程も評価し、部下のモチベーションを上げることがリーダーには必要なのです。そしてそれが良い結果へと繋がっていくんです。

●「9つのポジション、 9つの打順には全て役割がある。いい選手を9人集めるのではなく、 9つの適材適所に合わせて選手を集め育成する。」
(出典:『野村ノート』 著:野村克也 小学館文庫 2009年 137ページ)

ガチっとした体格の力強いホームランバッターを1番から9番まで集めても、それが最強の野球チームになるとは限りません。人には適材適所というものがあるのです。例えば1番には足の速い選手、 2番には小回りの利く選手、 3番には足の速い中距離ヒッター、 4番には足が遅くてもいいのでとにかくホームランバッター、など。
各打順にはそれぞれ役割があり、その役割に適した人材を配置することがリーダーの大切な仕事です。野村克也氏は、この原則をきっちりと守ってきたからこそ、弱小球団であっても強い球団に勝てるほどの成績を残してきたと言えるでしょう。

一般企業でリーダーとなってプロジェクトチームを率いる場合でも同じことがいえます。東京大学法学部卒の優秀な人材を10人集めてきたからといって、それが最強のプロジェクトチームになるとは限りません。マーケティングに強い者、財務会計に強い者、営業に強い者、業界情報に明るい者など、バランスのよいチーム作りをすることが大切です。人にはそれぞれ適材適所があるのです。

リーダーとしてチームを率いる際には、 個々の強みは何なのか、をしっかりと見極め、適材適所で人を配置することがとても重要になってきます。

●「監督は『気づかせ屋』でなくてはならない。」
(出典:『野村ノート』 著:野村克也 小学館文庫 2009年 180ページ)

野村克也氏は、選手が無知であることを自覚させ、無知は恥なのだと気づかせることが大切だと述べています。

皆さんはリーダーと言うと、部下の間違っていることは間違っていると率直に伝え、改善を要求、さらに将来高いパフォーマンスを上げてもらうように育成する、と考えているかもしれません。しかし、ときには部下の間違いを黙って見守り、部下自身にその間違い気づかせると言う忍耐力も必要なのです。

人から言われて直すよりも、自ら気づいて直すことの方がより本人のためになるという場合もあります。プロジェクトチームで物事がなかなかスムーズに進んでいないときは、部下の行動についつい横から口出しをしたくなることもあるでしょう。しかしそこは忍耐力を持って見守り、彼らに気づかせるということも時として必要なのです。

●「地位が人をつくる。」
(出典:『野村ノート』 著:野村克也 小学館文庫 2009年 202ページ)

4番打者を6番や7番に下げると、だんだんその程度の打者に変わってしまう、ということがあるそうです。つまり選手は4番を任されると責任感を感じ、奮起して4番打者としての成績を残す選手に成長するが、下位打線に下げられた選手はその範囲内で期待されている結果しか残さなくなる、ということです。

この点に関して言えば、日本企業は現在大きな問題を抱えていると言えるでしょう。

つまり、20代の若い社員にマネージャー経験をさせていないのです。特に大手の企業になればなるほど、 20代の10年間は上司の雑用係をして、そのまま30代に突入ということもありえます。そうすると、社員は30代後半から40代なっても刺激的なビジネス経験をさせてもらうこともできず、結果としてリーダーが育たないと言う状況に陥るのです。

優秀なリーダーは、若い社員には積極的に責任と地位を与え、それらに見合った行動をしてもらうよう期待するのです。

●「『人集めと人づくり』、それが強いチーム作りの基本である。」
(出典:『野村ノート』 著:野村克也 小学館文庫 2009年 207ページ)

特にこれはMBA取得後に起業を目指す人にとって重要な言葉です。

というのも、起業するとまず必要になってくるのが「人集め」と「人づくり」です。自分一人でできるビジネスなど基本的にこの世に存在しません。どんなビジネスであっても、必ず人の手助けが必要になってきます。お客様が満足するサービスを提供するために適材適所で人を集め、彼らと友好的な関係を築き一緒にビジネスをする体制を整えていくことが大切なのです。

できる人を集める(人集め)。人の能力を見極め、その人の強みを引き出す(人づくり) 、これを出来るリーダーが率いる組織は大きく成長していきます。逆にこれができないリーダーがいる組織は、衰退の道を辿ります。

組織のリーダーは、仕事を全てひとりですることもできませんし、またしようとするべきでもありません。リーダーとして成功する秘訣は、優秀な人材を集め適材適所で彼らにそれぞれの得意分野で能力を発揮してもらうシステムを作っていく事なのです。

まとめ

MBAでは、リーダーシップ能力を身に付けることは大変重要な要素です。MBAホルダーである以上、どの業界、どの業種に従事するとしても、今後のキャリアにも関わってくる大変重要な要素です。

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点矢印画像「9つのポジション、 9つの打順には全て役割がある。いい選手を9人集めるのではなく、 9つの適材適所に合わせて選手を集め育成する。」
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